内容説明
三島由紀夫と剣道、安部公房とボクシング、倉橋由美子と短距離走、石原慎太郎とアイガー北壁―肉体と精神の極致で書き手と作品が一体化したかのような迫真のアスリート小説。一方、井上ひさしと野球、安岡章太郎とグローブ、清水義範と長嶋茂雄など少年の喪失感やユーモアが味わい深い胸キュン小説。いずれも競技やスポーツがもたらす心身の昂揚と孤独に肉迫し、手に汗握る名作揃いである。編と解説は齋藤愼爾。
著者等紹介
齋藤愼爾[サイトウシンジ]
1939年京城に生まれ、山形県飛島に引き揚げる。山形大学文理学部国文科中退。深夜叢書社代表。俳人、編集者、文芸評論家として活躍する。古今東西の文学に精通し、厖大、緻密な読書蓄積を持つ。日本有数のアンソロジストでもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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里馬
5
見えない目標へひたすら無欲を貫き、痛ましいまでに己を研磨する姿は美しい。『ラッキーマン』の努力マンの下駄の話を思い出した(苦笑)2009/05/27
jeli
3
「剣術」身体感覚が脆弱すぎて泣ける。(合宿メニュー楽すぎない?)井上靖も同様。大作家は精神が強すぎるからだろうか。安倍公房「時の崖」井上ひさしの「ナイン」はまたちがった味わいがあった。僕の周囲のスポーツする人は大抵が太陽のようなカラッとした明るい残酷さがあって、そのズレが気になって偏った評価になってしまいました。2010/02/20
朱音
1
「スポーツ小説」とはいえ、三島由紀夫は三島由紀夫らしいし(想像通り剣の話だった。美しい)、井上靖はやっぱりそれらしい話で、マジメな小説もたまにはいいやん?題名はゲーテ「ファウスト」より。(ミュンヘンオリンピック映画のほうかな?)2009/04/26
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