出版社内容情報
恩田陸を語るうえでは外せない、第59回日本推理作家協会賞に輝いた傑作ミステリ『ユージニア』。
2005年刊の単行本は、ブックデザイン・祖父江慎、フォントディレクション・紺野慎一、写真・松本コウシと、各分野の巨人が一堂に会し、作品世界を表現した先鋭的な造本は業界に衝撃を与え大きな話題となった。
いまなお語り継がれる「伝説の本」が今年、〈完全版〉となって登場!
物体としての本の魅力が満載の、恩田陸ファンはもちろん、すべての本好きにとって、入手必須の一冊。限定生産なのでこの機会をお見逃しなく!
◆発売20周年記念の〈完全版〉
当時、技術や費用の面で断念せざるを得なかった部分も含め、本来目指していた仕様をすべて実現した保護函入りの〈完全版〉を限定生産で発売!
◆作品の魅力を引き出す唯一無二の造本
冒頭に挟み込まれる、本とは異なるサイズの「現場に残されたメモ」。
目が見えない少女・緋紗子が感じる世界を表現した、白い膜の向こうに風景が透けて見えるカバー。触覚で感じられる、凹凸のある表紙。
徐々に平衡感覚を失っていくような、ひずんだ本文デザイン。
ほかにも、見返し、扉、なんと、かがり糸にまで、作品世界に引き込むためのこだわりが随所に!
巻末の「ユージニアノート2025」では造本のこだわりポイントを解説!
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ユージニア、私のユージニア。
私はあなたと巡りあうために、
ずっと一人で旅を続けてきた。
数十年前のあの夏、青澤家で催された米寿を祝う席で、十七人が毒殺された。その場にいた人間で生き残ったのは、目が見えない少女一人のみ。ある男の遺書によって一応の解決をみた大量殺人事件が、年月を経てさまざまな視点から再構成される。見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか? 日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリ!
【目次】
プロローグ
第一章 海より来たるもの
第二章 二つの川と一つの丘
第三章 遠くて深い国からの使者
第四章 電話と玩具
第五章 夢の通い路(一)
第六章 見えない人間
第七章 幽霊の絵
第八章 花の声
第九章 幾つかの断片
第十章 午後の古書店街にて
第十一章 夢の通い路(二)
第十二章 ファイルからの抜粋
第十三章 潮騒の町
第十四章 紅い花、白い花
ユージニアノート2025
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