出版社内容情報
皇国を治める剋帝(こくてい)姫舜(きしゅん)は、視えないものが視える体質だった。どれだけの美人でも、その顔は靄で覆われ、黒い蟲がはりついている。しかも、舜は謎の病に侵され日に日に衰弱していた。不治の病と思われたが、『呪い』を疑った侍医が、古い資料から一つの望みを見つける。それは、今は縁の切れた『禍祓(まがはら)い』の一族、姚(よう)家だった。そうして呼ばれたのが、禍祓士(かばつし)、姚流麗(りゅうれい)。黒い道袍(どうほう)に白い仮面を身につけた彼女を見て舜は驚く。なぜなら彼女の顔には黒い靄も蟲も無く……?
【目次】
序章
第一章 呪われた皇帝
第二章 穢れに染まる後宮
第三章 彷徨う幽鬼
第四章 憑きまとう死
第五章 呪詛
第六章 二人の母
終章