出版社内容情報
ある日、私は会社の書庫で「開封厳禁」と書かれた段ボール箱を発見しました。
その中にあったのは、会社に関する数々の資料。
これからまとめていく文章は、それらの資料を文字起こししたものです。
なお、重大な機密情報などは含みません。ただ――とても、異様なだけで。
どうか、弊社と私に対するご詮索はおやめください。
【目次】
内容説明
ある日、私は会社の書庫で「開封厳禁」と書かれた段ボール箱を発見しました。その中にあったのは、会社に関する数々の資料。以下にまとめていく文章は、それらの資料を文字起こししたものです。なお、重大な機密情報などは含みません。ただ―とても、異様なだけで。どうか、弊社と私に対するご詮索はおやめください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
60
勤務する会社の倉庫で多数の文書や記録媒体が入った箱を見つけた総務部の新入社員が、小説投稿サイトにその書き起こしをアップしていくなかで、少しずつ会社の異常性が明らかになり、やがて自身のまわりにもおかしなことが起こり始める。流行りのモキュメンタリーながら、本作そのものがモキュメンタリーだとはじめから宣言しているメタ的手法が面白い。洗脳×怪異×因習というホラーの基本要素を全方向にカバーしているのは、抜かりないと捉えるかtoo muchと捉えるか、評価が分かれるところ。2025/07/21
さちこ
41
モキュメンタリー。2025/08/16
佐倉
28
芦原瑞穂が職場で発見した「開封厳禁」と書かれたダンボール。そこには芦原が勤めるスノウ製菓にまつわる不可解な出来事が記録された書類とUSBが入っていた……というモキュメンタリー的な導入で入り、中盤からは青春要素や恋愛要素も入りつつ、終盤にかけてちゃんとホラー、後味悪めで落としてくれる。登場人物の過去描写や芦原と宮下の青春青春した関係性にちょっとクドさを感じたものの、二人の関係性が怪異に回収されてしまう展開は結構好き。怪異の在り方もブラック企業にありがちな”アットホーム”に着目した点が新鮮だった。2025/08/28
くさてる
27
最近はやりのモキュメンタリ―ぽいホラー小説かなあと思っていたのだけど(二度目)、良い意味で裏切られました。恐怖の正体こそ正統派のホラーだけど、現代的に料理されていて、読者が入り込みやすい構成になっている。「あり得ない」ことが起きる小説では、途中で「いやそうはならんやろ」と思って醒めてしまうことがあるけれど、この小説はそこもうまかった。そうとう「あり得ない」ことがたくさん起きるのに、最後まで醒めることなく読めました。面白かった。2025/09/13
きたさん
18
モキュメンタリーなのかと思っていたら、それをベースとしてはいるものの、しっかりと読ませるホラー小説になっていて予想外に面白かった。2025/08/22