出版社内容情報
ある日、私は会社の書庫で「開封厳禁」と書かれた段ボール箱を発見しました。
その中にあったのは、会社に関する数々の資料。
これからまとめていく文章は、それらの資料を文字起こししたものです。
なお、重大な機密情報などは含みません。ただ――とても、異様なだけで。
どうか、弊社と私に対するご詮索はおやめください。
【目次】
内容説明
ある日、私は会社の書庫で「開封厳禁」と書かれた段ボール箱を発見しました。その中にあったのは、会社に関する数々の資料。以下にまとめていく文章は、それらの資料を文字起こししたものです。なお、重大な機密情報などは含みません。ただ―とても、異様なだけで。どうか、弊社と私に対するご詮索はおやめください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
38
勤務する会社の倉庫で多数の文書や記録媒体が入った箱を見つけた総務部の新入社員が、小説投稿サイトにその書き起こしをアップしていくなかで、少しずつ会社の異常性が明らかになり、やがて自身のまわりにもおかしなことが起こり始める。流行りのモキュメンタリーながら、本作そのものがモキュメンタリーだとはじめから宣言しているメタ的手法が面白い。洗脳×怪異×因習というホラーの基本要素を全方向にカバーしているのは、抜かりないと捉えるかtoo muchと捉えるか、評価が分かれるところ。2025/07/21
君塚
9
カクヨム発のモキュメンタリーホラーってしっくりこないことも多いんだけれど、引っかかりのある題材だとつい手が伸びちゃう。タイトルが良い。内容はモキュメンタリーホラーを題材にしたホラーって感じで、ネット上のモキュメンタリーも増えてくる中で差別化にいろんな工夫があるんだなぁという感想を持った。もうちょっと描写にリアリティがあったほうが好みかな。2025/07/21
ユウハル
8
怖くて面白い。だけど触ってはいけないもの。 読んだ時点でもうダメじゃん…と思わせるモキュメンタリーホラーだなと。この会社に入ってなくても巻き込まれちゃうな。いや巻き込まれた?大丈夫、もう大丈夫だから!2025/07/24
彼方から
5
怪異自体はとても怖くていいのだが登場人物がチグハグな印象を受けた。会社の話なのにお前ら高校生か!みたいな。2025/07/20
銀華
4
会社で封印されたかのように仕舞われていた段ボールの中から資料を見つけ、小説の題材になるかと内容を書き起こしながら調べていくと異常な様子が見られる研修動画やインタビュー等ばかりで、周囲にも異変が起きるーー今流行りのモキュメンタリーですと提示している姿勢に珍しいなと思ったら、最後まで読むと苦し紛れの策なんだと分かり、会社の怪奇モノはあまり読んだことないから面白かった。登場人物達が大人にしては幼げ、新入社員だからと云っても。書き方の問題か、読み易くはある。もう少し重厚にすれば、会社の舞台も異様さを増せたと思う。2025/07/30