出版社内容情報
事故で右腕を失った千早は夜行堂へ導かれ、成り行きで使い走り担当として仕事を始める。千早と大野木は業務の効率化から一緒に暮らしていた。そして県庁の大野木に届いた依頼は母親からのものだった。訪問するとおかしくなるという都市伝説のある大学寮跡の廃墟に肝試しにいった息子が戻ってから様子がおかしくなり、部屋から一歩も出なくなってしまったという。一緒に行った友人から話を聞こうと、面談に訪れた青年はひどくおびえていた。大野木と千早は二人で話を聞き始め…。多発する怪異には、人の情念や想いが、人ならざるものと混じっている。それらが引き起こす、数々の呪いと悲劇。それら怪異をあざ笑うかの如く静観する夜行堂店主の真の目的とは……。文庫化にあたり、上下巻それぞれに短編を書き下ろし収録。