出版社内容情報
かつて科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめ、「最後の鑑定人」として名を轟かせた土門誠。しかしとある事件をきっかけに、科捜研を辞職。新たに民間鑑定所を立ち上げた土門のもとに次々と不可解な事件が持ち込まれる。いつも同じ服、要件しか話さないという一風変わった合理主義者でありながら、その類まれなる能力で、難事件を次々と解決に導いていく――「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」。孤高の天才鑑定人・土門誠の華麗なる事件簿。
内容説明
かつては科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめ、「最後の鑑定人」として名を轟かせた土門誠。しかしとある事件をきっかけに、科捜研を辞職する。新たに民間鑑定所を立ち上げた土門のもとに次々と難解な事件が持ち込まれ―「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」。一風変わった合理主義者であり孤高の鑑定人・土門誠の人気シリーズ第1作。
著者等紹介
岩井圭也[イワイケイヤ]
1987年生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みこちゃん
53
ドラマ化を前に読了しようと思ってたけど間に合わず、先にドラマ初回を見てからの読了。藤木直人さんでは美しすぎる感は拭えないけど、ドラマ同様、小説もサクサクと読了。警察の捜査で重要な証拠集めを担う鑑定人の、真実を明らかにするというプライドが感じられ、日頃の現場の皆様に敬意を表したくなった。それにしても最初の「遺された痕」は読んでいて気分が悪い!これはドラマ化しないだろうな…「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」まさにその通り。人間は怖い生き物だ。2025/07/12
よっち
25
「最後の鑑定人」と呼ばれ、ある事件をきっかけに科捜研を辞め民間鑑定所を開設した土門誠。その群を抜いた能力で不可解な事件を解決する連作短編集。元恋人の遺留精液DNAが検出された女性他殺体、外国人技能実習生が完全黙秘した放火事件、宝飾品と一緒に車に残っていた白骨死体から明らかになる12年前の未解決強盗殺人事件、自殺した娘の遺品鑑定から分かる切ない真実。科学的な観点をもとにわずかな遺留品から卓越した着眼点や執念で事実に迫っていく土門はどこまでもプロフェッショナルで、元妻の尾藤や助手の高倉の存在も効いていました。2025/06/18
小梅さん。
12
ドラマが面白いので、原作も。 うん、原作もとっても面白い。 ドラマで扱う事件は、おおむね原作通りでうまく映像化してくれているし。 土門の藤木直人、うまいなぁ。弁護士の迫田さん、元妻とのやりとりもいい。 ただ、土門の過去に関わるあの事件の扱いがちょっと違ってるね。はっきり決着をつけるのがTV的ということか。2025/08/01
こむこむ
8
ドラマ化されたということで面白いのかなって。でも60点くらいかな。科捜研が相対的に無能みたいになっててそれで成立しているみたいなところがあって。個性みたいなものも弱い気がして。2025/08/07
三日月
6
短編が4つ ドラマと順番は違うけどタイトルは同じ 天才ゆえの変人、土門先生がかっこいい♡ 元妻からは「変態の所業」とまで言われてるけどね(笑) 引き受けた鑑定に対してはとことん真面目に、責任と自信をもって調べ上げる。 「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」 「私たちは、白でも黒でもない。どこまでもグレーな存在です」 「加害者にとっては過去かもしれない、もう終わった話かもしれない。しかしご遺族にとっては終わりなんてないんです」 嘘を見破る訓練をする助手の高倉柊子さんもいい味出してる。 2025/07/31