出版社内容情報
「自分が思うようには他者は求めてこない」
1867年パリ万博。アメリカ人と日本人の間に生まれた朝は、幕府の通詞として同行することになり、パリの地に足を下ろしていた。万博開催で幕府(日本)が出展する中、なぜか薩摩藩と佐賀藩も出展していた。出展物は欧州諸国に大いに人気があり、日々人が訪れている。そんな中、菟田免次郎は「織田長益の呼び続ぎ茶碗」の買い手に頭を悩ませていた。二人が街を歩いているとき、免次郎が外国人たちに絡まれてしまう。そこへ通りかかったアーサーという気品溢れる若者が助けに入ってくれる。なぜか朝はアーサーに気に入られてしまい……。。「ジャポニズム」の契機となったパリ万博を描いた、新感覚時代小説。
【目次】
第一章 朝、パリに立つ
第二章 朝、困る
第三章 朝、綿中の針を感じる
第四章 朝、縫う
第五章 朝、面食らう
第六章 朝、思いつく
第七章 朝、めかしこむ
第八章 朝、仕組む
第九章 朝、帰る