出版社内容情報
シングルマザーで働き詰めの母に代わって車椅子の弟の面倒を見てきた岡崎成道は、看護師を目指して大学に進学する。40人のクラスに男子はたった5人。覚悟はしていたものの看護業界は女性中心で、講義も実習もトラブル続きだ。自分は必要とされていないのではないか。思い悩む成道は、ある患者の担当になり――。
【目次】
第1章 白衣の力士
第2章 一歩の勇気
第3章 約束の握手
第4章 秋のエスケープ
第5章 始まりの音
第6章 天国からの伝言
内容説明
シングルマザーで働き詰めの母に代わって車椅子の弟の面倒を見てきた岡崎成道は、看護師を目指して大学に進学する。40人のクラスに男子はたった5人。覚悟はしていたものの看護業界は女性中心で、講義も実習もトラブル続きだ。自分は必要とされていないのではないか。思い悩む成道は、ある患者の担当になり―。頼られ、応える。ぼくは命と寄り添う看護師になる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
107
今なお看護の現場に身をおき、命と寄り添いつづける藤岡さん。今作は、看護師を目指す男子学生たちが幾多の壁にぶつかりながらも、患者をはじめとする多くの人との出会いを通し成長していく日々を克明かつリアルに綴る。主人公・成道は、交通事故で下半身に損傷を負った弟の晴道、仕事に追われ余裕がない母と3人で暮らす。彼にとって看護師になることはたった一つの生きる希望。女性ばかりの白ウサギの集団の中で黒ウサギとも呼ばれる男性看護師。その理不尽な眼差しや不遇な環境をも乗り越え、希望に向けひた走る姿に読中幾度も鼓舞され、涙する。2026/04/13
ナミのママ
83
4年間、特待生で頑張る。母子家庭でヤングケアラーの成道は特待生を条件に看護大学を受験し合格した。40人のクラスに男子は5人、黒ウサギは目立つ。入学早々に男性であることを認識させられる。そんな中で実習でかかわる人たちとの触れ合い、気づきと学び。いつもながら藤岡さんの視線は誠実で優しい。若い人の夢のある姿を丁寧に描き思わずエールを送りたくなる。資格を取得したものの、離職率が高いと言われる看護師。どうぞ彼らが頑張れる社会になりますように。2026/03/08
ゆみねこ
75
交通事故で父を喪い弟は重い障害で車椅子の生活に、働きづめの母を支えヤングケアラーとして弟の世話や家事を担ってきた岡崎成道は、亡き父と同じ看護師を目指すことに。看護大学では男性は40人のクラスでわずか5人、個性的なクラスメイトとともに看護師になるため努力を重ねてゆく。タイトルの意味はラストで、感動で涙が止まらなかった。2026/04/07
pohcho
68
看護師を目指す男子大学生の物語。男だ女だという時代ではないけれど、やはり看護師は女性というイメージが強く、実習先でも男だからと拒否されてしまったりといろんな苦労が。また、主人公の成道はこれまでずっと弟の世話をしてきたヤングケアラーでもあり、とても切ない。母親が少し成道に甘えすぎだと思うけど、事情を考えると仕方ない気もした。真摯に誠実に仕事に向き合う成道。彼をとりまく患者さんたちも素敵だった(青のナースシューズには涙)藤岡さんの小説を読むといつも心洗われるような気持ちになるが、本作は特に素晴らしかった。2026/03/23
Ikutan
63
交通事故で父親が亡くなり、弟は重い障害を負う。母親は日々働き詰め。そんな母親を支え、車椅子の弟の世話も担うヤングケアラーの成道が、亡き父親と同じ看護師の道を目指す姿を描く感動作。看護学校では、クラスに男子は五人だけ。まだまだ、男性看護師には偏見もある。それでも、悩んだり葛藤しながら、いろいろ事情を抱えたクラスメイトたちと成長していく。命に直結する仕事だから看護学校のカリキュラムはなかなか厳しい。実習では、出産から在宅の看取りまで様々な場面を体験する成道。彼と一緒に心揺さぶられた。ラストのエピソードは涙涙。2026/04/04




