出版社内容情報
北多摩の尼寺・寂光庵。夢殿とよばれる密室にて、推摩居士は殺されていた。夢殿の2階へ続く階段の壁に直立した血みどろの屍体は、体中の血を全て抜かれ、両上腕と両腰にはそれぞれ梵字形の傷が刻まれていた。そして、3階の孔雀明王の大画幅の前からは巨鳥の趾跡が……。庵主に依頼された刑事弁護士・法水麟太郎は、事件解決に乗り出す(「夢殿殺人事件」)。「黒死館殺人事件」でおなじみの名探偵が活躍する傑作短編集。解説・竹本健治
内容説明
北多摩の尼寺・寂光庵。夢殿とよばれる密室にて、推摩居士は殺されていた。夢殿の2階へ続く階段の壁に直立した血みどろの屍体は、体中の血を全て抜かれ、両上腕と両腰にはそれぞれ梵字形の傷が刻まれていた。そして、3階の孔雀明王の大画幅の前からは巨鳥の趾跡が…。庵主に依頼された刑事弁護士・法水麟太郎は、事件解決に乗り出す(「夢殿殺人事件」)。「黒死館殺人事件」でおなじみの名探偵が活躍する傑作短編集。
著者等紹介
小栗虫太郎[オグリムシタロウ]
1901年、東京の酒問屋の家に生まれる。22年四海堂印刷所を設立。33年、甲賀三郎の推薦により「完全犯罪」を小栗虫太郎名義で「新青年」に発表。探偵小説家として注目される。46年、執筆中に脳溢血で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
42
面白かったです。法水麟太郎が活躍する短編集でした。特に表題作は体内の血がすべて抜かれた血みどろの死体というだけで引き込まれます。奇怪な事件ばかりですが、それぞれの事件が複雑なようで簡単というのが醍醐味のように思えました。2025/01/06
優希
36
再読です。短編ながら奇怪な事件ばかりですが、それぞれ複雑なようで簡単というのが醍醐味のように思えました。トリックが難解ですが独特で、それが小栗虫太郎の持ち味なのでしょう。2025/03/21
里愛乍
32
コラボカバーを機に購入。法水麟太郎シリーズの短篇集で、開けてみれば河出文庫さんとほぼ同じなんだけど、角川文庫コラボの横溝さんとペアっぽく並べてみたかったのでそれは良し。今のところこの方の作品は、考えるな感じろの体制で挑んでますのでこのカッコいい文体に触れられるだけでも超満足。こんなにも私の厨二心を鷲掴む言葉を連ねる文を書く小説家が他にいますか!頭より神経が悦んでるような、だからこそ手元に置いておきたいそんな一冊。2025/02/10
ベルディ
4
独特のルビと衒学で幻惑してくるが、意外にも普通の探偵小説の様式を纏っていた。実現可能性や論理性が微塵もないし、過剰な装飾とトリックはほぼ意味不明なものだが、その独自性は他の追随を許さないだろう。虫太郎だけが千年先のミステリを書いているのでは…? 『失楽園』>『後光』=『夢殿』>『聖アレキセイ』>>>『オフェリヤ』>『人形』かな個人的には。各短編個別に感想は書いた。ここでツッコミ。「つまり、1番複雑に思われるものが1番簡単なんだよ」 ☝️いや、わかるかーい💦2025/02/09
ドットジェピー
3
面白かったです2025/01/11