出版社内容情報
大津にある近江義仲寺で、運命的な出会いをした松尾芭蕉と智月尼。歌という共通の興味を通じて、二人はゆっくりと惹かれあっていく。その二人の関係に、500年前の木曽義仲と巴御前の壮絶な愛の物語が重なり合っていく――。大津市膳所にある近江義仲寺で、義仲と芭蕉の墓、巴御前を供養する巴塚がひっそり並んでいる。なぜここに芭蕉の墓があるのかという謎に絡めて、女性でありながら武将として愛する人を守った巴御前と、運命を受け入れつつも新たな出会いにより忘れかけていた「自分」を取り戻した智月尼。激動の時代に、自分らしく生きようとした女性たちの姿を描く、心震える歴史物語。
内容説明
したたるような緑に抱かれた、大津にある近江義仲寺。巴塚に詣でていた智月尼は、旅装束の男と出会った。尼姿を巴御前の化身かと思い驚いたらしい男は、松尾芭蕉と名乗る。やがて俳諧を通じて2人は惹かれあっていく―。女武者として愛する人と共に戦った巴御前と、過酷な過去を背負いながらも、人生を取り戻した智月尼。500年を経て、数奇な運命が重なり合う。大切なものを守るために命をかける人々の姿に心震える歴史小説。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡市生まれ。上智大学文学部英文科卒業。外資系企業勤務を経て、翻訳・作家活動に入る。1996年、『眩惑』でデビュー。2003年、『其の一日』で第24回吉川英治文学新人賞を受賞。07年、『奸婦にあらず』で第26回新田次郎文学賞を受賞。12年、『四十八人目の忠臣』で第1回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)を受賞。18年、『今ひとたびの、和泉式部』で第10回親鸞賞を受賞。平安から江戸以降まで、幅広い題材に取り組み、新しい感覚の時代小説の書き手として注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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