出版社内容情報
二人を殺害し、公判で死刑判決を受けた沼田が、突如刑務官に嫌がらせを始めた。その目的は、警察を呼んでほしいという。二係捜査の森内は、上司である信楽の留守に、沼田との面会に応じるが──。
内容説明
2人を殺害し、一審で死刑判決を受けた沼田正樹が、拘置所で収監中に新たな殺人を告白した。警視庁捜査一課で「二係捜査」を専任する森内洸は、先輩刑事の信楽が不在の間に手柄を立てようと、単独で拘置所の沼田に接触する。だが、週刊誌で刑事と沼田との接触が報じられ、森内は窮地に追い込まれる―。沼田が新たな殺人を告白した意図は、いったい何なのか。そして告白した殺人は事実なのか。大人気シリーズ、衝撃の第5弾。
著者等紹介
本城雅人[ホンジョウマサト]
1965年神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、サンケイスポーツで記者として活躍。2009年、『ノーバディノウズ』で第16回松本清張賞候補となり、作家デビュー。10年、同作でサムライジャパン野球文学賞大賞を受賞。17年、『ミッドナイト・ジャーナル』で第38回吉川英治文学新人賞を受賞。18年、『傍流の記者』で第159回直木三十五賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
88
行方不明者の中でも失踪した理由が明らかになっていない人と逮捕された被疑者が結びつかないかを調べる二係事件捜査。信楽&森内コンビシリーズ第5弾。普段は書類を読み込み端緒を探すのだが、一審で死刑判決を受けた沼田が新たな殺人を告白し、森内の高校の先輩である刑務官からの情報でその相手が行方不明届が出ていた事が判明する。森内は先輩の信楽が不在の間に手柄を立てようと沼田と接触、また週刊誌も沼田と接触、記事となる。沼田の告白の意図は?殺人は事実なのか?警察と記者達はそれぞれの立場で真相を探っていく。2025/01/18
タイ子
78
このシリーズはやはり巻を追うごとに面白くなる。第5弾の今作は死刑判決を受けて(まだ控訴中なので死刑囚ではないが)拘置所に収監中の男が別の殺人を告白した。これで死刑が覆るわけでもなく、殺人を追加したところでどんなメリットがあるというのか。週刊誌に生い立ちから現在までを語り、自分の全てをさらけ出したその訳とは?週刊誌記者と二係捜査の信楽、森たちとの仕事内容の違いが浮き彫りに。そんな違いを知る事も面白い。騙し騙され、その裏に隠れた事実が明らかになった時、罪人も人間と知る。2024/12/07
み
25
さくさくと♪死刑になるほどの犯罪者なのに、何か魅かれちゃうキャラでした。たられば、で歯車がねって感じでしょうか、現実にもありそう。次作も楽しみです(^_-)-☆2024/12/24
きあら
25
敵対する半グレを銃殺し死刑判決を受けている沼田が、収監中に新たな殺人を告白した。今回のジャーナリストは「友を待つ」等の週刊タイムス。これまでの切れ者や切れ者の切れ者が、今のマスコミの中にあっては珍しくちゃんとした記者だったのでちょっと物足りなさはあったけど、今回も読み応えあった。何故そんな事をしたのか?洸同様「あっ」と言いそうになった。2024/11/24
NAOAMI
17
死刑判決を受けた男が別件の殺人を告白。それを介した週刊誌記者達の苦悩と二係捜査の行方を追う。男の意図に利用された彼らが如何に真相に辿り着くか。遺体なき殺人を追う二係捜査のバリエーションをこれでもかと駆使してくる著者の発想に驚く。しかも得意とするメディア視点と捜査視点を上手く抜きつ抜かれつのテンポに巻き込み、意外な突破口に収斂していく。第一弾記事にあった違和感ある登場人物に鍵があったとは巧い流れ。死刑囚の生い立ちや性格も物語の深みにして終盤のイベントを盛り立てる。週刊誌内の描かれ方が画一的でなく真摯で好感。2025/01/12