出版社内容情報
10年以上付き合ってきた彼は後輩と結婚、真摯に勤めてきた仕事先はクビ。数か月後に迫る「35歳」を目前に、小野コマチは婚活アプリに登録する。「私の料理をぜひ食べに来てほしい」と誘われ、出向いた先はなんと色とりどりのバラが咲き誇る庭園に囲まれた豪邸だった。恐る恐る進むコマチを待ち受けていたのは、見目麗しく一口食べれば止まらない料理の数々で――(「第一話 小野コマチの情熱~骨付き鶏もも肉のワイン煮込み」より)。現実に少し疲れた人の前に現れる、豪華なビストロとめくるめく料理、そして謎に包まれたシェフとは?「ものがたり洋菓子店 月と私」の著者が贈る、美味しい一皿と再生を描いた連作短編集!
内容説明
長く付き合った彼氏に振られ、仕事はクビ。35歳を目前に婚活アプリに登録した小野コマチは、尊大なマッチング相手から「私の料理をぜひ食べにきてほしい」と誘われる。出向いた先は薔薇に囲まれた豪邸だった。供されるのは一口食べれば止まらない美味な料理の数々で…(「第一話 小野コマチの情熱~骨付き鶏もも肉のワイン煮込み」より)。知らないうちに力んでいた肩の力がふっと抜ける、そんなビストロ開店です。
著者等紹介
野村美月[ノムラミヅキ]
福島県出身。2001年「赤城山卓球場に歌声は響く」で第3回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門〈最優秀賞〉を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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オセロ
56
これは良かった! 『美女と野獣』の野獣がベルと結ばれることなく、呪いを解いてくれる運命の相手を求めて婚活アプリを。見込みのある女性には野獣が営むビストロで自身が作った豪華フランス料理を振る舞っていた…。なかなか奇抜な設定ですが、野獣と女性たちのテンポの良いやり取りなどが面白くてスラスラ読めるんですよね。そんな婚活を中心とした連鎖短編集かと思いきや、中盤あたりからビストロで働くすずにフォーカスを当てたストーリーになるのですが、これが本当に良かった。興味のある方はぜひ手に取ってほしい一冊です。2025/05/15
荒川叶
42
人の愛を知る事って本当に難しい。 日々を過ごす中で人は様々な出会いとその中で経験を積んでいく。傷つくばかりの生活の中でどれだけの人が本当の自分を認め大切にしてくれてるのかな。そして、相手が自分を大切にしてくれるなら私もその分大切にしていきたいと思う。2025/01/03
たるき( ´ ▽ ` )ノ
41
えっ、何この面白さ!!めっちゃ好みの雰囲気♡設定も最高だし、料理が本当に美味しそう。やじゅうさまのキャラ、愛おしいわぁ〜♫これは今年の面白かった本に確実にランクインだな。2025/03/16
坂城 弥生
38
フランス料理なので料理名聞いても知らないお料理が多かったから想像するしか無いけど美味しそうだった。2025/05/20
わたー
29
★★★★★最高だった。「美女と野獣」の野獣が実はベルに振られていて、今なお魔法がかかったままだったら?しかも彼女に代わる別の運命の相手を探していて、マッチングアプリで婚活していたら?という童話×現代ファンタジー。やじゅうさまがオーナーシェフを務める隠れ家的ビストロで小さな給仕すずと共におもてなしするのは、彼とマッチングした3人のタイプの異なる女性。彼女たちはそれぞれ問題を抱えながら婚活をしているのだが、やじゅうさまと彼の作る絶品料理のおかげで少しだけ前を向けるようになる。そんなコミカルであったかい前半は2025/01/10