出版社内容情報
極楽鳥が舞い、ヤシやパイナップルが生い繁る常夏の離れ島に幼い兄妹が漂れ着いた。持ち物はわずかな文房具に、三本のビール瓶、そして新約聖書が一冊だけ――。愛しい両親の助けを待ちながら力を合わせて過ごす二人。しかし時が経つにつれ、彼らの関係は変化していく……。彼らが海に流した手紙には、恐ろしい“地獄模様”が綴られていた――。
内容説明
極楽鳥が舞い、ヤシやパイナップルが生い繁る常夏の離れ島に幼い兄妹が漂れ着いた。持ち物はわずかな文房具に、三本のビール瓶、そして新約聖書が一冊だけ―。愛しい両親の助けを待ちながら力を合わせて過ごす二人。しかし時が経つにつれ、彼らの関係は変化していく…。彼らが海に流した手紙には、恐ろしい“地獄模様”が綴られていた―。
著者等紹介
夢野久作[ユメノキュウサク]
1889年福岡県に右翼の大物、杉山茂丸の長男として生まれる。幼名杉山直樹。夢野久作とは福岡の方言で「夢想家」の意。慶應義塾大学文学部中退。1926年「あやかしの鼓」を雑誌発表する。「いなか、の、じけん」等、因縁と心理遺伝を題材とした作品を著し、代表作『ドグラ・マグラ』は国内外の日本文学者から比類ない評価を受ける。36年春、47歳の生涯を終えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こまめ
3
『文鳥』に続く100分シリーズ📘この装丁と手軽さが嬉しい。『ドグラ・マグラ』を5分の1で寝かせているせいかかなり読みやすかった。なんかやたらと語りかけてくるから引き込まれる。なかでも「死後の恋」が印象的💎宝石ってのがずるいよな〜〜そりゃ美しいよ2025/01/19
ゆた
2
ドグラ・マグラを読む前段階に少し短めの作品を読みたいと思い手にした一冊。夢野久作作品は総じてタイトルに興味を惹かれがち。そうして手にして読み始めてみると妙に中毒性があり、うわぁと思う気持ちがあってもつい最後まで読んでしまう。狂気じみているのに、まったく理解できないというわけでもない。時代を経ても変わらずに読み継がれる理由がなんとなくわかったような気がした。次はドグラ・マグラに挑みたい。2025/06/28
ハチ15
2
ドグラ・マグラを読むには、 まだ勇気が足りません。 でも、気にはなっていました。 そんな折、角川文庫さんの100分シリーズから、 夢野久作さんの作品が出ましたので読んでみました。 表題作を含め、1話1話が重い...。 ましてや、これらはホラーなんだろうか...。 朝から読むものではなかったですね...。 作品よりも作者がどんな経歴で、 どんな影響を受けて、 これらの作品を作り上げたのか。 そういった事が気になりました...。2025/01/04
ゆ
1
人間の仄暗い部分を書いた作品集。 異様な輝きを放つ色とりどりの宝石みたい。美しさの中に残酷さを含んでいる。その残酷さも含めて美しい。 夢野久作さんはすごい人ですね…2025/09/30
Potato Fries
1
「瓶詰の地獄」「死後の恋」「支那米の袋」を収録した短編小説。登場人物が奇怪な真相を語っていく夢野久作のスタイルは、深い追体験をしている感覚になる。特に気に入ったのは「支那米の袋」。踊り子の露西亜女と水兵の亜米利加男が駆け落ちをする…かのように思われたが、男の素性は悪魔のような思惑にあった。男が女に仄めかした日本に由来する素敵な遊び、その正体が最後の1ページでさらりと明かされる構成の美しさ。胸ぐらを掴まれたように話に引き込まれてしまった。次は「人間腸詰」を読みたい。 2025/08/24
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