骨を喰む真珠

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骨を喰む真珠

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  • サイズ 46判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041152478
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「僕はこの家から逃げられへん身にさせられてしもうた」

大正十四年、大阪。病弱だが勝ち気な女性記者・苑子は、担当する身上相談欄への奇妙な投書を受け取る。
大手製薬会社・丹邨製薬の社長令息からの手紙であり、不審を覚えた苑子は、身分を偽り丹邨家に潜入することに。
調査を進めるうち、その異様さが明らかになっていく。苑子を苦しめていた咳をただちに止める、真珠のような丸薬。
一家の不可解な振る舞い。丸薬を怪しんだ苑子は、薬の成分分析を漢方医に頼む。
返ってきた結果には、漢方医も知らない「骨」が含まれていた――。

もう逃げられない。気付いてからが、本当の地獄の始まりだった。
「丹邨家に巣くう災厄をあなたが払えることを祈ります」

内容説明

大正十四年。病弱だが勝ち気な女性記者・苑子は、担当する身上相談欄への奇妙な投書を受け取る。大手製薬会社・丹邨製薬の社長令息からの手紙であり、不審を覚えた苑子は、身分を偽り丹邨家に潜入することに。調査を進めるうち、その異様さが明らかになっていく。苑子を苦しめていた咳をただちに止める、真珠のような丸薬。一家の不可解な振る舞い。丸薬を怪しんだ苑子は、薬の成分分析を漢方医に頼む。返ってきた結果には、漢方医も知らない「骨」が含まれていた―。

著者等紹介

北沢陶[キタザワトウ]
大阪府出身。イギリス・ニューカッスル大学大学院英文学・英語研究科修士課程修了。2023年、「をんごく」で第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“大賞”“読者賞”“カクヨム賞”をトリプル受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

155
期待の新人・北沢さんの2作品目…前半は新聞記者・苑子が富豪一家の謎を探る物語で、後半は苑子の妹・栄衣が物語を引き継ぐ形になっている。デビュー作『をんごく』が好みにピッタリで期待していたが、2作続けて傑作はならずというのが正直なところ。とは言え、大正ロマン薫る世界観は健在で内容にマッチしているし、心情描写や会話も巧み。おぞましくグロテスクなホラーとして、ゾクゾク盛り上がるサスペンスとして、新人の域は超えていると思う。特に栄衣と共闘する記者・操の使い方を「絶妙な脇役設定!」と感心した。次作品も必ず読みたい🎵2025/04/29

いつでも母さん

139
ホラーは苦手。『をんごく』も読んでいない。そんな私でも珍しくすんなり読めた。いや、結末が気になってページを捲るスピードが加速する。はぁ。こう来たか~!これは『欲』の話?昔からそんな薬が本当にあったの?(そこ?)苑子は気の毒だったけれど、幸太郎を助けたよね。白潟が助かって(正気に戻って)良かったなぁ。これが『背筋も凍る大団円!』なんだろうな・・ タイトルと装画に惹かれて一気読みしちゃった次第。2025/02/28

ちょろこ

139
一気読みの一冊。職業婦人への風当たりが強い大正14年の大阪を舞台に、女性記者が一通の奇妙な身上相談の手紙を受け取ったことから始まる製薬会社家族の知られざる秘密を描いたストーリー。この作家さんは時代の雰囲気に読み手をすっぽり包むのが実に巧く今回も一気読み。女性記者のお屋敷潜入、浮き彫りになる家族の歪み、一粒の丸薬を口に含んだその先に待ち受けるのは地獄か…ドキハラが止まらない。そして炙り出された最大の闇には予想外のおぞましさが止まらない。欲と哀しみと苦しみの嵐からの静寂、そして個々の再生への描き方が良かった。2025/02/14

モルク

121
「をんごく」と同じく大正時代が舞台。婦人記者の苑子の担当する「身上相談」に製薬会社丹邨製薬の息子から手紙が…彼を助けるため姉礼以に絵を教える名目で潜入する。若見えする母、咳をピタリと止める謎の丸薬…次第にこの家が礼以に支配されていることに気づくが…早々に主役は退場し苑子の妹と同僚に代わる。社長秘書は敵か味方か。不穏な空気が流れホラー、オカルトぶりにドキドキ。最後は解決したの?礼以の肉を喰らったあの人に礼以がのりうつるのではないかと勝手に先を心配してしまう。あぁ怖い((゚□゚;))2025/05/28

yukaring

88
北沢さんの描くレトロで独特な空気感の物語がとても好き。今回も大正時代を舞台に繰り広げられる妖しい和製ホラーにすっかり魅きこまれあっという間に読了。新聞社で働く苑子が担当する身上相談欄へ奇妙な手紙が届く「私は溺れております」この手紙が気になり調べたところ差出人はある製薬会社の御曹司。事件の臭いを感じた苑子は丹邨家へ身分を偽り潜入、住み込みで働きつつ内情を探るが一家に感じる異様で不気味な違和感。そして秘密を知った時には地獄に絡め捕られもう逃げられない。驚きの真相も胸にジンとくる切ないラストも好みの1冊だった。2025/03/12

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