出版社内容情報
印刷所の職人・宗吉は、ある日、愛人との間にできた3人の子供の存在を妻に知られてしまう。激怒した妻から子供を愛人のもとに返してくるよう命じられるが……(「鬼畜」)。仕事ができず、辞職を迫られる捜査一課の刑事。夫の窮地を救うため、妻は隣人夫婦のトラブルからある恐ろしい計画を思いつく(「本末顛倒殺人事件」)。家族の抱える秘密が、時として背筋が凍る結末を呼ぶ。豪華執筆陣が集結。様々な家族の歪みを描く、傑作アンソロジー。
内容説明
印刷所の職人・宗吉は、ある日、愛人との間にできた3人の子供の存在を妻に知られてしまう。激怒した妻から子供を愛人のもとに返してくるよう命じられるが…(「鬼畜」)。仕事ができず辞職を迫られる捜査一課の刑事。夫の窮地を救うため、妻は隣人夫婦のトラブルからある恐ろしい計画を思いつく(「本末〓倒殺人事件」)。家族の抱える秘密が、時として背筋が凍る結末を呼ぶ。様々な家族の歪みを描く、傑作アンソロジー。
著者等紹介
若林踏[ワカバヤシフミ]
1986年生まれ。ミステリ書評家。ミステリ小説を中心に書評、文庫解説、インタビュー記事を多数執筆。文筆活動以外にトークイベントの司会やポッドキャスト番組への出演なども行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
134
『その幸せは本物ですか?』と帯にある。もうドキドキするじゃない(汗)松本清張から始まるアンソロジー6話。緒形拳や岩下志麻、小川真由美に脳内で変換されていた『鬼畜』は忘れられない。ラストは矢樹さん、おぞましさ全開の『裂けた繭』いやはやどれもいや~な読後感にため息が出る(褒めてます)2024/10/25
Ikutan
68
戦後の高度経済成長期から現在までの流れに沿って、家族の中に生じた歪みを描いた六つの短編。豪華執筆陣だけあって、どのお話ものめり込む様に引き込まれ、ゾワゾワとした読後感を堪能した。『鬼畜』は三度も映像化されたという傑作。『本末転倒殺人事件』では、皮肉な展開に翻弄される。インタビュー形式の『不文律』では、想像力が駆り立てられ、『花ざかりの家』はラストに衝撃が。『おばあちゃんの家』では途中でえっ?となってしまった。『裂けた繭』は既読だったが、今回も恐ろしさと気持ち悪さ全開。どの作品も強烈なインパクトだった。 2024/11/29
ごみごみ
55
家族の歪みを描いたアンソロジー。どんな家庭にもありそうな、些細な嘘やすれ違い。ほんの小さな綻びから、じわじわと亀裂が広がっていく恐怖。松本清張『鬼畜』は有名な作品らしいが初めて読んだ。78年に緒形拳主演で映画化もされているとのことで、ぜひ観てみたい(ちょっと、いやかなり怖いけど)。矢樹純『裂けた繭』は既読だったが、その破壊力はハンパない。なんとなくあらすじを覚えていたものの、読了後なかなか鳥肌がおさまらない。他の4作品も含め、6話全ての家族が強烈で気が滅入る!2025/02/04
きりん★
42
ホラー🏠👻を期待していたが、読んだら人怖アンソロジーだった。どれも後味の悪い、ドロッとした読み心地。甲乙つけ難い作品ばかりですが、印象に残ったのは松本清張さんの「鬼畜」真面目が取り柄の男の転落加減がひどい。新津きよみさんの「おばあちゃんの家」後からジワジワくるおぞましさ。1番引きずる。2024/10/11
あたびー
38
「家」建物自体も指し、そこに住む人や家族、一族丸ごとも指す大きな言葉。そこで起きる様々な事件を扱ったアンソロジー。松本清張「鬼畜」は言わずもがな。間の話はすっ飛ばして、矢樹純「裂けた繭」はすごい話だ。ホントに矢樹純はすごいと思う。この話が収録されている短編集「妻は忘れない」は手元にあるけど未読で、すぐ読んでみたい。2024/12/16