出版社内容情報
生命は遺伝子の設計図通りに作られる――
ケンブリッジ大学で長年、遺伝学を研究してきた著者は、
そうした「遺伝子中心主義」に異を唱える。
双子でさえも指紋が違ったり、心臓が左に配置されるといった現象は
DNAでは説明できないからだ。
実は、ただの体の構成要素とみなされている細胞こそが、
環境を読み、自律的に組織を創り出す「真の建築家」だという。
これまでの常識を覆す、細胞科学の最前線。
【目次】
PART 1 細胞と遺伝子
第1章 遺伝子の中ではなく
遺伝的形質のルール
遺伝子の中には何がある?
遺伝子の言語
機能と機能不全
TはTail(しっぽ)のT
共通の基盤
遺伝子のパワーは有限
第2章 すべてのものの種子
細胞
細胞のスケッチ
分割して統治せよ
きわめて特別な細胞
合併と吸収
部品の集合ではない
第3章 細胞の社会
動物とは何か?
起源 新たなツール
時間を描き、空間を征服する
利己的な遺伝子
無私の細胞
運命の協定
PART 2 細胞と胚
第4章 再生と復活
カエルは永遠に
羊のドリーから猫のCCへ
マンモスを復活?
微生物とゾウ
運命の地形(ランドスケープ)
第5章 動くパターン
Hoxステップ
細胞の舞踏会
細胞の言語
手足の指を数える
時間、空間と配管
胚と政治
第6章 目に見えないところで
哺乳類 隠された卵
ネズミとヒトのツール
母体とのつながり
自然を模倣する
線引きはどこか
ヒトの胚
重要な違い
PART3 細胞と人間
第7章 再生
生命の継代
協定を破る
新しい自分
プレタポルテ
不老の島
バック・トゥ・ザ・フューチャー
部品を組み立てる
生命の幻想
第8章 胚への回帰
パズルのピース
全体のモデル
ヒトになること――主題と変奏
普遍的な細胞の地図
顕微鏡で見たヒト胚
第9章 人間の本質
胚とは何か
意味探求の構造
形質の中にあるもの
運命の先触れ
エピローグ
監修者解説 吉森保



