マスター・ビルダー―体は細胞が建設する

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マスター・ビルダー―体は細胞が建設する

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  • サイズ 46判/ページ数 392p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041150450
  • NDC分類 463
  • Cコード C0045

出版社内容情報

生命は遺伝子の設計図通りに作られる――
ケンブリッジ大学で長年、遺伝学を研究してきた著者は、
そうした「遺伝子中心主義」に異を唱える。
双子でさえも指紋が違ったり、心臓が左に配置されるといった現象は
DNAでは説明できないからだ。
実は、ただの体の構成要素とみなされている細胞こそが、
環境を読み、自律的に組織を創り出す「真の建築家」だという。
これまでの常識を覆す、細胞科学の最前線。


【目次】

PART 1 細胞と遺伝子

第1章 遺伝子の中ではなく
遺伝的形質のルール
遺伝子の中には何がある?
遺伝子の言語
機能と機能不全
TはTail(しっぽ)のT
共通の基盤
遺伝子のパワーは有限

第2章 すべてのものの種子
細胞
細胞のスケッチ
分割して統治せよ
きわめて特別な細胞
合併と吸収
部品の集合ではない

第3章 細胞の社会
動物とは何か?
起源 新たなツール
時間を描き、空間を征服する
利己的な遺伝子
無私の細胞
運命の協定

PART 2 細胞と胚

第4章 再生と復活
カエルは永遠に
羊のドリーから猫のCCへ
マンモスを復活?
微生物とゾウ
運命の地形(ランドスケープ)

第5章 動くパターン
Hoxステップ
細胞の舞踏会
細胞の言語
手足の指を数える
時間、空間と配管
胚と政治

第6章 目に見えないところで
哺乳類 隠された卵
ネズミとヒトのツール
母体とのつながり
自然を模倣する
線引きはどこか
ヒトの胚
重要な違い

PART3 細胞と人間

第7章 再生
生命の継代
協定を破る
新しい自分
プレタポルテ
不老の島
バック・トゥ・ザ・フューチャー
部品を組み立てる
生命の幻想

第8章 胚への回帰
パズルのピース
全体のモデル
ヒトになること――主題と変奏
普遍的な細胞の地図
顕微鏡で見たヒト胚

第9章 人間の本質
胚とは何か
意味探求の構造
形質の中にあるもの
運命の先触れ

エピローグ

監修者解説 吉森保

内容説明

生物は細胞が建築の最高責任者であり、体は細胞が建設している―ケンブリッジ大学で長年、発生を研究してきた著者はそう訴え、「生命は遺伝子の設計図通りに作られる」という遺伝子中心主義に異を唱える。DNAが同一の一卵性双生児でさえも指紋が異なることは、遺伝子中心の考え方では説明できない。左右の腕の長さをほぼ等しくしたり、各内臓を所定の位置に配置したり。ただの体の構成要素とみなされている細胞こそが、環境を読み、組織を創り出す「真の建設者」なのだ。これまでの常識を覆す、細胞科学の最前線。

目次

1 細胞と遺伝子(遺伝子の中ではなく;すべてのものの種子;細胞の社会)
2 細胞と胚(再生と復活;動くパターン;目に見えないところで)
3 細胞と人間(再生;胚への回帰;人間の本質)

著者等紹介

マルティネス・アリアス,アルフォンソ[マルティネスアリアス,アルフォンソ] [Martinez Arias,Alfonso]
1955年生まれ。スペイン、バルセロナのポンペウ・ファブラ大学のカタルーニャ高等研究機関(ICREA)研究教授。マドリードのコンプルテンセ大学を卒業後、アメリカのシカゴ大学で生物物理学及び理論生物学の博士号を取得。2003年より、イギリスのケンブリッジ大学遺伝学科、発生機構学の教授となり、2010~11年には同大学医学物理学センター所長も兼任。発生生物学への多大な貢献が認められ、12年に英国発生生物学会からワディントン・メダルを授与される。共同執筆した教科『Principles of Development』は15年に王立生物学協会から学部教科書賞を受賞。また16年には在英国スペイン人研究者協会(SRUK)から生涯功績賞を受けている

佐々木紀子[ササキノリコ]
イギリス在住。東京外国語大学ロシア語科卒業後、日本企業を経てイギリスの企業でライフサイエンスなどの知的財産管理と調査に従事。その間、科学・医療のノンフィクションからビジュアル図鑑、サスペンス小説まで幅広いジャンルの翻訳を手掛ける

吉森保[ヨシモリタモツ]
大阪大学名誉教授、同大学院医学系研究科寄附講座教授。生命科学者、専門は細胞生物学。医学博士。大阪大学理学部生物学科卒業後、同大学院医学研究科博士課程中退。ドイツ留学などを経て、1996年オートファジー研究のパイオニアである大隅良典博士が国立基礎生物学研究所にラボを立ち上げたときに助教授として参加。2002年に国立遺伝学研究所教授に就任、その後大阪大学微生物病研究所教授、同大学院生命機能研究科及び医学系研究科教授を歴任。17年同大学栄誉教授の称号を授与される。18~22年同大学院生命機能研究科長。16~18年には日本細胞生物学会会長も務めた。19年大学発ベンチャー「Auto PhagyGO」を創業。文部科学大臣表彰科学技術賞、紫綬褒章など受賞・受章多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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