出版社内容情報
少し前まではのどかな武蔵野の風情を色濃く残していたG町の繁華街に、夜になると菫色の灯りがともる「黒猫」という酒場があった。つい一週間ほど前に経営者が代わり、無人のはずの店の裏手で、何者かが地面を一心に掘っているところに出くわした巡査はそこで腐乱屍体を発見する。金田一耕助は世にも難解な顔のない屍体の謎を見破ることができるか。
内容説明
少し前まではのどかな武蔵野の風情を色濃く残していたG町の繁華街に、夜になると菫色の灯りがともる「黒猫」という酒場があった。つい一週間ほど前に経営者が代わり、無人のはずの店の裏手で、何者かが地面を一心に掘っているところに出くわした巡査はそこで腐乱屍体を発見する。金田一耕助は世にも難解な顔のない屍体の謎を見破ることができるか。
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902年、神戸市生まれ。旧制大阪薬専卒。26年、博文館に入社。「新青年」「探偵小説」の編集長を歴任し32年に退社後、文筆活動に入る。信州での療養、岡山での疎開生活を経て、戦後は探偵小説雑誌「宝石」に『本陣殺人事件』『獄門島』『悪魔の手毬唄』などの名作を次々と発表。映画「犬神家の一族」で爆発的横溝ブームが到来した。今なお多くの読者の支持を得る。81年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
133
角川文庫の新シリーズ「100分間で楽しむ名作小説」10作品のうちの1つ。同じく角川文庫の『本陣殺人事件』に収録されている「黒猫亭事件」(本文全126ページ)が、字を大きくして本文全173ページに再編集されています。短編・中編も多い横溝正史作品の中からこの作品が選ばれたのは、古今東西の“顔のない死体”をテーマにした作品の中でも白眉であるのはもちろん、Y氏(=横溝正史)と金田一耕助が親交を深める経緯が書かれるなど、横溝作品の初心者にも向いているからなんでしょうね。2人のミステリー談義は一読の価値ありですよ!2024/04/14
あつこんぐ
43
ドラマで色々な人が演じている金田一耕助を観てきましたが、読むのは初めてです。普段、明智君やホームズなどイケイケな探偵に慣れ親しんでいるので、推理を披露しながら恐ろしさでぶるっと震える金田一さんが新鮮でした。読みやすく、どんでん返しもあって面白かったです。これを機に『八つ墓村』や『悪魔の手毬唄』などの定番の本も読んでみたいと思います。 2024/06/02
凛
13
金田一耕助シリーズを読むのはこれが2作目で、今回は顔のない死体に纏わる作品でしたが、最後までハラハラしながら読みました。短い内容ながら、濃く凄惨で初めて金田一シリーズ読む入門に良いのではないかと個人的に思いました。2024/04/21
Janjelijohn
8
犯人の殺人のハードルが低すぎることに違和感はありますが、謎解きの場面は爽快で霧が晴れていくようでした。ライトに読める金田一耕助シリーズです。2025/01/03
ジュンコ
8
文字が大きく、装丁もかわいくてさくさく読めるけど、中身はしっかり横溝作品。ちょっとこんがらがるけどおもしろかった!2024/08/14
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