内容説明
この本は「古典離れ」への新しい挑戦のために、『源氏物語』や『平家物語』のような有名な古典ではなく、一般にはなじみの薄い「説話」と呼ばれる作品群を主な材料としています。しかも、「説話」の看板である神話や伝説、鬼人や超人の活躍する霊験譚や英雄譚などははずし、新聞の社会面の記事に類する「世間ばなし」、日常的な空間に勃発した意外な出来事、われわれの周辺に住む普通の男女の織りなす事件的な説話…などを取り上げています。
目次
第1章 面白うてやがて悲しき…(医は仁術とはいうものの;大黒さまの当たり外れ ほか)
第2章 女は心憎きもの(貞女、二夫にまみえず;惚れ直して元の鞘 ほか)
第3章 したたかな“性”命力(お宝鑑定団;愛欲に我を忘れて ほか)
第4章 裸のセレブリティー(小野小町のされこうべ;手玉にとられたプレイボーイ平中 ほか)
著者等紹介
小林保治[コバヤシヤスハル]
1938年、青森市生まれ。早稲田大学教育学部卒、同大学院文学研究科修了。博士(文学)。現在、早稲田大学名誉教授、山東大学・浙江大学客員教授。専攻は日本説話文学、仏教文学、能・狂言など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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