内容説明
この本は「古典離れ」への新しい挑戦のために、『源氏物語』や『平家物語』のような有名な古典ではなく、一般にはなじみの薄い「説話」と呼ばれる作品群を主な材料としています。しかも、「説話」の看板である神話や伝説、鬼人や超人の活躍する霊験譚や英雄譚などははずし、新聞の社会面の記事に類する「世間ばなし」、日常的な空間に勃発した意外な出来事、われわれの周辺に住む普通の男女の織りなす事件的な説話…などを取り上げています。
目次
第1章 面白うてやがて悲しき…(医は仁術とはいうものの;大黒さまの当たり外れ ほか)
第2章 女は心憎きもの(貞女、二夫にまみえず;惚れ直して元の鞘 ほか)
第3章 したたかな“性”命力(お宝鑑定団;愛欲に我を忘れて ほか)
第4章 裸のセレブリティー(小野小町のされこうべ;手玉にとられたプレイボーイ平中 ほか)
著者等紹介
小林保治[コバヤシヤスハル]
1938年、青森市生まれ。早稲田大学教育学部卒、同大学院文学研究科修了。博士(文学)。現在、早稲田大学名誉教授、山東大学・浙江大学客員教授。専攻は日本説話文学、仏教文学、能・狂言など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
20
いろいろな説話が紹介されています。名前は知っていても読んだことのない説話集は今後チャレンジしてみたいと思いました。最終章の有名人たちの話は面白かったです。2024/03/15
tsubomi
7
2023.06.19-09.03?:古典文学や説話に登場する艶っぽいエピソードを集めた一冊。民衆のしたたかさを感じる物語が多いですが、貴族の駆け引き的な物語なども紹介されていて、クスッと笑える部分もあり、ちょっと唖然としてしまう部分もあり。前半には人間の間抜けさや欲深さが表われているものやファンタジー的なものが多いですが、後半に紫式部、清少納言、藤原道長など有名人にまつわるエピソードがあったのは来年の大河ドラマを前にしてちょっとタイムリーな感じです。2023/09/03
遊未
7
むろん全てがタイトルどおりの内容ではなく、説話の中には結構あるよ。でしょうか。読みやすいので、気疲れしている時に。いつもながら、清少納言はどうしてここまで悲惨なお話ばかりになったのでしょうか?あまりです。2020/11/09
oooともろー
1
面白説話集。タイトル程ではない。2022/09/08
閣下
1
全然エッチじゃなくてがっかりだよ~。エッチじゃなかったらただの古典なわけで、そりゃ退屈でつまらないお話でした。途中から教科書読んでる気分になってきて、頭が読むのを拒否してきたので途中で終わり。2011/10/21