出版社内容情報
職人の男が丹精込めて作った大型の肘掛け椅子。床すれすれまで革が張られ、背面も肘掛けも重厚に作られたその内部に、職人はちょっとした細工を施し、自らが身を隠せるようにしてしまった。椅子に潜んで機を狙い盗みを働こうとした男はやがて、椅子となった自分に革一枚隔てて身を任せた女性に対し、名状しがたい熱情を抱くようになる――。
内容説明
職人の男が丹精込めて作った大型の肘掛け椅子。床すれすれまで革が張られ、背面も肘掛けも重厚に作られたその内部に、職人はちょっとした細工を施し、自らが身を隠せるようにしてしまった。椅子に潜んで機を狙い盗みを働こうとした男はやがて、椅子となった自分に革一枚隔てて身を任せた女性に対し、名状しがたい熱情を抱くようになる―。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌の編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以降、探偵小説を次々と発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。代表的なシリーズに、「怪人二十面相」「少年探偵団」など。1965年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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