出版社内容情報
心臓を鷲掴みにされ、魂ごと持っていかれる究極のクライムノベル!
メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。
内容説明
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へ向かった。川崎で生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモは、バルミロに見いだされ、彼らの犯罪に巻きこまれていく。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつく―。人間は暴力から逃れられるのか。第165回直木賞受賞作。
著者等紹介
佐藤究[サトウキワム]
1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、同作でデビュー。16年、『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。18年、『Ank:a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、および第39回吉川英治文学新人賞を受賞。21年、本作で第34回山本周五郎賞、および第165回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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