出版社内容情報
船頭の息子に産まれた長五郎は、米穀商である養家が没落したことで、腕一本でのし上がっていくことを決意する。“清水の次郎長”と呼ばれる伝説の博徒の生き様を描き切った、山本一力の渾身作。
内容説明
豪胆で知られた清水湊の船持船頭・雲不見の旦那に、男の子が生まれた。長五郎と名づけられた少年は、父親譲りの気性を武器に、荒波にも立ち向かう偉丈夫となった。長じて博徒となり家を出た長五郎のもとには、右腕となる音吉や森の石松をはじめ、堂々たる侠客たちが集い始める。いつしか、長五郎は「海道一の親分・清水の次郎長」と呼ばれるようになっていた。日本中を魅了した無頼の徒の、規格外の生涯を描く一代記!
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年高知県高知市生まれ。東京都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空会社関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で第126回直木賞を受賞。12年、第1回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。15年、第50回長谷川伸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コブタ
5
誰でもが知っている清水次郎長を、幼馴染の音吉の目を通して語られる。解説にもあるがこの時代の博徒が、それも大親分が畳の上で大往生は珍しい事だった。2024/06/17
かずぺん
5
有名な噂の任侠の男としての認識だったり、テレビドラマの世界でしか存在していない意識でしたが、この本を読んで清水の次郎長を理解できたと思います。良かったです。2024/05/15
やまたか
3
誰でもが知る清水次郎長の生涯を、同じ日に生まれ一生を共に歩いた幼馴染の音吉が語る。特に一家を旗揚げする前の若き日の次郎長が、実に新鮮で魅力的。さらに、石松と次郎長の関係も素敵だし、今まで存在を知らなかった音吉の男っぷりも良かった。2025/02/04