出版社内容情報
東京でキャリア街道まっしぐらの管理栄養士・日元みなほ。ところが突如、紀伊半島の田舎町にある家具メーカーの社員食堂への異動を命じられる。しぶしぶ赴いた彼女を待ち受けていたのは、ベテランパート調理員・郷力だった。社員の健康を考えて試行錯誤するみなほに、郷力は何かと難癖をつけてくる。東京が恋しいみなほだったが、次第に町の人のやさしさや美味しい郷土料理に出会って……。ハートフルな絶品お仕事小説!
内容説明
東京でキャリア街道まっしぐらの管理栄養士・日元みなほは突如、紀伊半島にある地元家具メーカーの社員食堂へ異動を命じられる。しぶしぶ赴いた彼女を待ち受けていたのは、ベテランパート調理員・郷力だった。従業員の健康を考えて試行錯誤するみなほに、郷力は難癖をつけてくる。東京が恋しいみなほだったが、町の人の優しさやおいしい郷土料理に出逢い、次第に居場所を見つけてゆく―。ハートフルな絶品お仕事小説!
著者等紹介
山本幸久[ヤマモトユキヒサ]
1966年東京都生まれ。2003年『笑う招き猫』で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。人情味あふれるあたたかな作風で人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
114
今日もみなほは緑のグックーで紀伊半島の町を走っているのかな?。読了後にそんな気持ちにさせられる作品。こんな管理栄養士さんがいる地方の社員食堂がある企業さんなら転職してしまうかも。胃袋を掴めという言葉は違う意味で使う言葉なのだろうが、そんな事を思ったのである。僕は複数回転職をしてきたが、その会社によって昼食というのは様々。だからこの作品の意味は分かるし、NHKのサラメシが無性に好きなのである。振り返って後から考えると、結構ランチタイムの事や時というのはその時の想いや人々と共に鮮やかに去来するものなのである。2024/10/13
おしゃべりメガネ
109
まさしく『読書の秋』&『食欲の秋』にこれ以上ないくらいドンピシャな作品でした。お仕事小説の名手、山本さんが今回綴るのはタイトルどおり、社員食堂でのお話になります。不本意な異動で東京から紀伊半島へやってきた管理栄養士「みなほ」は慣れない土地、難しい人間関係などに悩みながらも、少しずつ自分を見つめ直し、自分の居場所を見つけていきます。最初はギクシャクしていた職場の雰囲気もちょっとした出来事を機会にほんわかした空気になっていきます。山本さん作品の登場人物たちって、ホントどうしてこんなに魅力的なんでしょうね。2024/10/14
みかん🍊
96
東京でプロジェクトを成功させ昇進かと思ったらいきなりか地方の多分白浜のヒヨコ家具の社員食堂の栄養士として飛ばされる事に、そこには本社からきた栄養士をいびり出すベテランパート職員がいた、めげずに成果を上げて東京に戻ると奮闘するお仕事小説、自然も美しく新鮮な食材が豊富でしかもパンダがいる町で(パンダは出てこなかったが)低コストで新鮮な食材を使って美味しい献立を考え、腕利きのシェフと共に社員が喜ぶ社員食堂を目指していく、周りを巻き込んで仲間を増やしていく、こんな社員食堂で食べられる社員さんが羨ましいかぎりです。2025/04/04
Kazuko Ohta
80
何年か前にどハマりして大人買いをした作家です。相変わらず落ち着くし、何よりもこの作家の話には元気を貰えます。管理栄養士の主人公みなほが理不尽に田舎の家具メーカーの社員食堂に飛ばされる。その先には誰も楯突けないお局パート調理員がいて、みなほ以前に着任した栄養士はみんな耐えきれずに退職。だからこそ自分は絶対に辞めたくない。根っから意地悪な人も世の中にはいるでしょうが、よく知ってみればいい人というのが本の中。懐かしのアヒルバスが出てくるのも嬉しい。擬人化されたミゼット2にはちょっと引くけれど。瀬里奈ちゃん推し。2024/10/07
真理そら
69
東京で担当していた社員食堂を成功させたのになぜか和歌山の地味な家具会社の社員食堂に飛ばされてしまった管理栄養士・みなほが田舎の(たぶん白浜の)生活に不慣れながらも奮闘するお仕事小説。途中でチラッとアヒルバスが登場したので笑った。赴任した栄養士が次々とやめていく職場環境でも自分の仕事に意欲的に取り組む様子が清々しくて気持ちよく読める。魅力的なヒロインなのでシリーズ化してほしい。2024/09/30