出版社内容情報
十八歳にして、門人のいない道場を引き継ぐことになった筧求馬は、出稽古の帰りに勝ち気で美しい娘が曲者に襲われているところを咄嗟に助ける。娘を匿うため道場で生活を共にしていたが、屈強な刺客に連れ去られてしまう。娘の名は茉名といい、将軍の血を引く姫であり、圧政に苦しむ藩を救おうとしていることを知った求馬。風を感じて敵の動きを察する「颯の太刀」を振るって、茉名を救う旅に立つことを決意する。時代小説の新星が描く、江戸の青春剣劇!
内容説明
18歳にして、門人のいない道場を継いだ筧求馬は、代稽古の帰りに、美しい娘が曲者に襲われているところに出くわし、咄嗟に助ける。娘を匿うため生活を共にしていたが、屈強な刺客に連れ去られてしまう。娘の名は茉名といい、将軍の血を引く姫で、圧政に苦しむ領民を救おうとしていることを知った求馬。風を感じて敵の気配を読む「颯の太刀」を振るって、茉名を助けることを決意する。時代小説の新星が描く、江戸の青春剣劇!
著者等紹介
筑前助広[チクゼンスケヒロ]
1982年生まれ。2020年「それは、欲望という名の海」でアルファポリス「第6回歴史・時代小説大賞」特別賞を受賞。『谷中の用心棒 萩尾大楽 阿芙蓉抜け荷始末』に改題し22年にデビュー。同年、同作で第11回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろし新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
41
「さつのたち」と読みます。若い剣士の成長を綴ったわりとハードな時代小説です。ストーリーはありきたりかもしれませんが、多彩なキャラクターが出てきていきいきと爽やかに描かれていて魅せられました。また、チャンバラシーンも良かったなと!2025/05/04
Mc6ρ助
17
『頑張ったところで、生活は豊かにならない。子や孫の代もそれは変わらないだろう。しかし、それでも年貢を納め、生きていかなければならない。だから、働いている。そんな諦めがあるのだ。(p164)』令和の世の中、今日よりも明日が貧しくなる覚悟がないと生きていけない。閑話休題、久しぶりに読むチャンバラ率高めの文庫時代小説、ロードノベルにしてビルドゥングスロマーンの風格を備えている。快作。ライトノベル風味が強いと思うのは爺さまの偏見だが、藤沢周平御大の「用心棒日月抄」のような自己完結後のシリーズ化はいただけない。2025/01/30
Yuuki.
8
登場人物がそれぞれ個性的でありながら衒った感じが無く、脳内で映像化された登場人物たちが生き生きと動き回ってくれるような文章。戦いのシーンは多くの人が斬られるものの、残酷さよりも爽快感が優っていて、まさに時代劇を観ているような感覚だった。2024/12/23
hexia
3
鬱屈している青年剣士が、出会いと旅の中で成長していく物語▼清々しい成長譚である。なろう出身の筆者らしく、筆致はあくまで軽く現代風である。逆に、時代劇と言われて連想する、清新な自然や重厚な人情、機微の描写は乏しく、これを読みやすさととるか筆の不足ととるかは読者の好み次第だろう▼ただ、「二刀は弱きものを守るため」など主人公の信条が描写され過ぎで鼻につく。善玉登場人物に現代人権思想が浸透しすぎなのだこのファンタジー江戸時代は。仏典か論語あたりからなにかこじつけて引用していれば自然な感じに描写できたと思うのだが2024/05/02
怪盗紳士
2
「剣鬼」と恐れられた剣豪の養子求馬。暴漢から助けたおなごの素性を知り、そしてその志を共に為すために遠路旅に出る。 過去のトラウマ、人を斬るということ、姫への想い…様々な経験を積み、徐々に成長していく求馬。感情移入しまくりでした。2025/05/23