内容説明
「僕が一枚の絵を鑑賞していたということは、あまり確かではない。むしろ、僕は、ある一つの巨きな眼に見据えられ、動けずにいたように思われる。」炎の天才画家ゴッホの手紙の数々を小林秀雄が読み解いた名著。
目次
ゴッホの手紙
ゴッホの病気
ゴッホの絵
「形」を見る眼
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
4
「私の実感から言へば、ゴツホの絵は、絵といふよりも精神と感じられます。私が彼の絵を見るのではなく、向かふに眼があつて、私が見られてゐるやうな感じを、私は持つてをります。」、「文章といふものはやはりその時の精神の現はれでね、殺してゐると殺してゐないとかいふことぢやない。つまりそつくり正直に出てくるんだよ。」、「ゴツホといふ人はキリストといふ芸術家にあこがれた人なんだ。(略)だから絵の中に美があるだとかさういふものが文化といふものかもしれないさ、だけどもしそんなものがつまらなくなれば、自分自身が高貴になればい2015/05/08