出版社内容情報
東京下町にひっそり立つ妖奇庵。
そこは妖人茶道家・洗足伊織の茶室だ。
《管狐》の夷、《小豆とぎ》のマメとともに、穏やかな日々を過ごす伊織のもとへ、
久しぶりに刑事の脇坂がやってきた。
元水泳選手であり、トラブルを抱えた妖人《河童》を連れて……。
ほか、青目と二人きりで密やかに過ごした時間が、
伊織視点、青目視点それぞれで綴られた物語も収録。
中村明日美子のコミックも収録した、真の完結巻!
*妖奇庵夜話の「き」は王扁に奇です。
内容説明
東京下町にひっそり立つ妖〓庵。そこは妖人茶道家・洗足伊織の茶室だ。“管狐”の夷、“小豆とぎ”のマメとともに、穏やかな日々を過ごす伊織のもとへ、久しぶりに刑事の脇坂がやってきた。元水泳選手であり、トラブルを抱えた妖人“河童”を連れて…。ほか、青目と2人きりで密やかに過ごした時間が、伊織視点、青目視点それぞれで綴られた物語も収録。中村明日美子のコミックも収録した、「妖〓庵夜話」シリーズ真の完結巻!
著者等紹介
榎田ユウリ[エダユウリ]
東京都出身。榎田尤利名義でも著作多数。巧みなストーリーテリングと、魅力的なキャラクター描写で、多くの読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
92
いよいよ真の完結編。東京下町にひっそり立つ妖奇庵に妖人茶道家・洗足伊織を訪ねてやってくる妖人や人間たち。伊織に夷にマメ、甲藤に脇坂刑事に小鳩さん、思いやりあふれる人々が織り成すどこまでも優しいストーリーに自然と涙が溢れ出す。伊織と青目が2人で過ごした日々や人生に悩む妖人≪河童≫を連れてやってくる脇坂刑事、穏やかな日常を取り戻し前に進む妖奇庵の面々の笑顔が思い浮かぶような素敵な完結編。中村明日美子さんのコミックもいつもながらに楽しかった。2023/08/03
りゅう☆
73
伊織が青目と二人で最後に過ごした日々。視覚を失った伊織の衰弱ぶり、弱々しさが読んでて苦しい。「目をごめん。でもありがとう」決して許すことができない青目だけど、心の底からの伊織への思いは深い。水泳選手の瀬田は妖人河童と判明した日から堕落した。ひろむと結婚した脇坂は30代となり部下を持つ立場に。正義感と責任感で仕事で手を抜くことができず激務の日々。愚痴を言いたくなくて妖琦庵から遠ざかっていたが…。人の心の悩みを溶かしていく伊織の人格って、器って大きすぎる。最終巻。大好きなシリーズなので寂しくてたまらないけど→2023/07/23
眠る山猫屋
65
妖奇庵拾遺といった感じだろうか。惜別の空気が満ちた“千波万波”。大きな哀しみの中に、微かな幸福感が入り交じった複雑な青目の想い。青目の後悔と慚愧、それでも手に入れたかった小さな幸せ。そしてそれすら手離す心の移ろい。『河童』というシンプルなタイトルの小品は、それでも回復した洗足伊織の周辺を描く終幕にふさわしい物語。壊されたの先生の身体ばかりではなく、家族たちの心もだったのだから。ゆっくりと癒されていけばいいんだね、脇坂くん・・・。2023/10/04
カナン
44
シリーズ完結。前巻の終わり方があまりに美しかったのでいつ読むべきか迷っていたのだけれど、これで本当にお別れ。最後に足元から崩れ落ちたくなるような真実と、行き場のない哀しみと、僅かに肌を照らす日の温かさばかりが寄せては返す。砕けた波は戻らない、零れ落ちた心は掬えない。手からすり抜けて失って、決して過去へは戻れないけれど、それでも伊織たちは何処かで生きていて、妖琦庵も何処かに存在している。罰を与えた伊織が穏やかに微笑むたびに泣きたくなる。切なく愛しい彼らの日々を、ここまで書いて下さってありがとうございました。2025/02/20
真理そら
39
なんだか寂しい終わり方だった…2024/08/23
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