出版社内容情報
“本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父三持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していく……初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー。
内容説明
“本の町”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともに様々な物語の世界を冒険していく…。初めて物語に没頭したときの喜びが甦る、胸躍るファンタジー。
著者等紹介
深緑野分[フカミドリノワキ]
1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
185
和製現代ファンタジー。設定はいいんですけどね、物語の世界に行った時の描写がちょっと分かりにくい。映像化して補完できると良い。映像化に向いてる。物語に入り込む、ってのはとてもおもしろいんだけど、ミステリ仕立ての解決部分が今ひとつスッキリせず。結局曾祖父さんとばあさんのすれ違い?ばあさんの頑固さもネックだ。ちょっともったいない感じ。「「そんなにたいそうなものじゃないよ、本は。ただ読んで、面白ければそれでいいんだ。つまらなくてもそれはそれで良い経験さ。自分が何を好み何を退屈だと感じるか知ることができるからね」」2025/05/23
ふじさん
113
図書館本。「戦場のコックたち」以来の深緑野分の作品。少女たちが本の世界を冒険するファンタジー。最後まで何とか読んだが、残念ながら感想が難しい。年のせいにはしたくないが、面白さは感じなかった。「御倉館」の管理人を務める父親を持つ深冬は、本好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町の姿は一変する。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白と共に、様々な物語の世界を冒険することになるのだが…。胸躍るファンタジーだが、ついて行けなかった。 2023/12/26
Kanonlicht
61
本にまつわる店が立ち並ぶ街の中心にそびえたつ閉ざされた図書館。本が盗まれるとき、街は住人ごと物語の世界へと姿を変える。代々図書館を管理する家に育った少女は、盗まれた本の行方を追う。不思議な建造物に謎の少女、尊大な態度の老婆、ちょっととぼけた父親と、ジ〇リっぽい要素満載。登場人物たちのわちゃわちゃした感じも、映像化すると面白そう。著者の他の作品とはだいぶ雰囲気が異なるようなので、別の作品も読んでみたい。2025/01/20
dr2006
54
本の町に潜むミステリーに惹かれ、持ち得る創造力を総動員して読んだ。読長町には、明治時代に本の蒐集家が建てた御倉館が在る。類希なる蔵書を誇った御倉館は一般開放されていた。だがある時、蔵書が盗まれ返ってこなかったた事に激怒した当時の館長祖母が閉鎖した。それからは親族のみで館と蔵書の管理を続けている。主人公御倉深冬は、祖母が仕込んだ警報装置(本が盗まれると読長町全体が本の世界に変わってしまう呪い)に翻弄される。本の世界を冒険するシーンが浮遊感に満ちて、長い夢を視ているようだった。作中作が醍醐味のファンタジー。2025/09/16
けぴ
49
深緑野分作品を読むのは『ベルリンは晴れているか』『空想の海』に次いで3冊目。今回の作品は巨大な書庫「御倉館」を舞台にしたSFファンタジー。本を盗む者が現れると街の様子が一変する。登場人物のネーミング(ひるね)や世界観が初期の桜庭一樹を彷彿させる。第一話~第三話は、退屈であったが、第四話~第五話で物語の謎が展開していき読むスピードが上がった。2024/06/06