出版社内容情報
ゆえあって藩を致仕した左平次は、不慮の事故で最愛の娘を失ってしまう。悲しみに暮れる左平次は、訳ありの老女の導きで長屋の大家を始めた。入居したのは、三年暮らせば願いが叶うと噂される山伏町の「三年長屋」だった。はじめは「お武家様」と軽んじられる左平次だったが、持ち前のお節介さを武器に、住人たちとの間に強い絆を築いていく。頼りになる大家と、くせ者住人たちとの心温まる関わりを描く、笑って泣ける人情小説。
内容説明
ゆえあって藩を致仕した左平次は、不慮の事故で最愛の娘を失ってしまう。悲しみに暮れる左平次は、訳ありげな老女の導きで長屋の差配を始めた。入居したのは、三年住めば願いが叶うと噂される山伏町の「三年長屋」だった。はじめは「元お武家」と軽んじられる左平次だったが、持ち前のお節介を武器に、住人たちとの間に強い絆を築いていく。頼りになる差配と、くせ者住人たちとの心温まる関わりを描く、笑って泣ける人情小説。
著者等紹介
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説執筆を開始し、2005年「い草の花」で第12回九州さが大衆文学賞大賞を受賞。08年「一朝の夢」で第15回松本清張賞を受賞し、単行本デビューを果たす。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を獲得し、16年『ヨイ豊』で第154回直木賞候補となり、同作で第5回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
62
お節介な元武士の左平次ははぐれた娘を探しあぐねて呆然としているときにお梅に三年長屋の差配の仕事を薦められる。黒文字や房楊枝を売る店の傍ら差し出がましいお節介をやく左平次の差配の仕事で起きるアレコレを描いた長屋モノ。三年で願いが叶うという評判の長屋なのであまり困った住人は登場しないのが長屋物としては珍しいかもしれない。2023/02/24
陽ちゃん
10
三年住めば願いが叶うと噂の「三年長屋」の差配は元武士の左平次。性分のお節介をやいて店子たちに迷惑がられながらも次第に認められ、頼られるように左平次自身も祭りで娘を見失い、今も探していますが、家主のお梅も、店子たちもそれぞれ訳ありですが、なんだかんだと解決しちゃうのが強いなと感心しました。もちろん、本人たちも願いが叶うよう努力したからですが。2023/04/09
でこ
2
人は色々背負って生きているのに、同じ長屋に住むから助け合える、差配さんの奔走も知恵もお節介も、痛快。2024/06/02
なんてひだ
2
三年長屋のタイトルも非常に気になったし、登場人物も個性だらけで、展開する次々に出て来る長屋住人にお梅という家主の裏側をじっくりと解き明かす所が良い。出だしから鬼嶋の腐れ外道に小判鮫の市兵衛の悪事を暴く所が良い。とても良い、暴く種明かしの後の非常に淡白な簡潔な娘の再会とまだまだ続くぞ的な新しい住人=火事で不幸になる人々。もうすっかり梶よう子さん読ませて貰う。よい豊読みたいなってこと。2023/03/24
ぶーすか910
1
2025-272025/06/16
-
- 和書
- 医学のひよこ