出版社内容情報
街の片隅にある小さな医院、保泉クリニック。院長の代替わりを機に始まったのは、過敏症の人向けの特別外来だ。
特定のにおいで頭痛が起こるWEBデザイナー、早期退職した夫との時間が増えた途端、体調を崩しがちになった主婦、ある日突然味覚障害になった料理人……。
様々な悩みを抱える患者たちを出迎えるのは、仏頂面で不愛想な女性医師と、優しいけれどおっちょこちょいな男性看護師という、ちょっと変わった2人だった。
心温まる新感覚医療小説、開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
24
私は音や光に敏感で香水の強い匂いも苦手。保泉クリニックの特別外来にやってくる人々はそんなの比では無いぐらいの過敏症を抱えている。症状はあるのに原因がわからないのがなにより一番辛いし、簡単に完治するものでもない。無愛想な態度にしかめっ面で少し癖のある先生だけど患者の事を考えて寄り添う姿が良かったなぁ。周りの人は自分は経験していないから中々理解しにくいけど、説明して理解してもらう事を諦めてはいけないなぁと思った。こんな先生のいる病院があったら心強いだろうなと感じさせる読めて良かった一冊。2024/04/26
ユウハル
5
人によって過敏になるものは違う。体調不調になるほどだとどんなに辛いことだろう。 うちの子も匂いにかなり敏感なため、もしかしたら明野さんみたいに症状が出てくる可能性があるかもとか、私だけに聞こえる音で具合が悪くなったこともあるのでもしかしたらあの時も…とか色々思い出して読んでました。こういう不安な時や、訳がわからない時に則子先生のように対応してもらえるととても安心する。今後困ったときの考え方としても勉強になりました。読んでよかった。心がホッとできました。2024/04/25