出版社内容情報
湯けむりの街、別府。無量は依頼を受け、古墳時代の遺構の学術発掘に赴いた。
人材育成を兼ねた発掘らしく、若い参加者も多い。
別府温泉は「地獄」とも呼ばれると知った無量は、やっと力を取り戻した〈鬼の手〉の本領発揮と張り切るが――。
内容説明
大分は湯けむりの街、別府。無量は依頼を受け、学生による発掘調査に指導役として参加した。現場からは国東半島の奇祭「修正鬼会」のものらしき面が出土し、無量は凄まじい迫力に圧倒される。面の裏には錆が付着しており、下に銅製の遺物が埋まっている可能性が。作業を持ち越した翌朝、なんと土坑が掘り返され、埋まっていたはずの遺物が持ち去られた!しかも犯人の遺留品らしき石匙が不自然な状態で残されていて―?
著者等紹介
桑原水菜[クワバラミズナ]
千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
33
海外での発掘に魅力を感じ、移籍するかどうかを悩む無量。そんな彼が古墳時代の遺構の学術発掘依頼で湯けむりの街・別府に赴く第十七弾。人材育成を兼ねた発掘らしく若い参加者も多い現場で、彼のいい気分転換になるかと想いきや、何者かに盗まれてしまう発掘予定の埋蔵物。国東半島にあったとされる瓜生島にまつわる五鬼伝説も絡めたトラブルに、無量たちが巻き込まれてゆく展開でしたけど、災厄を払う鬼の意外な一面も知ったりもして、外に出ることが全てではないという選択肢も知った彼が、これからどう決断するのか今後の展開が気になりますね。2023/05/23
よっしー
28
今回の舞台は大分!! 前に行ったことがあるのですが、国東半島は素通りしてしまったのて、行っておけば良かったと思いつつ、読み進めていました。今回の事件も複雑に入り組んでいて…相関図が欲しいぐらいでした。関係者の立ち位置が変化しすぎて、追いかけるのが大変です。ただ、無量に関しては鬼の手も戻り、楽しそうに発掘しているのて一安心かな。とはいえ…萌も含めて今後どのような選択をするのか、気になります。2024/07/11
うめきち
26
読み終わってしまった。もっと読んでいたかったなぁ。今回萌絵のアクション少なめで物足りなかった。複雑に歴史がからんでいて頭フル回転させて活字を追いました。次回作が楽しみです。2023/04/29
tomtom
23
今までより謎が複雑ではなかったので、読みやすかった。相変わらず人のものを盗ろうと人を襲撃する人ばかり出てくる。斗織がトラウマを乗り越えられたのがよかった。将来のカメケンメンバーかな?萌絵が苦戦するほどの人がする剣道はとてつもなく強かったんだろうな。2023/08/09
香翠
18
無量と萌絵のこの先はどうなるのか…二人がそれぞれ決断するのはまだ少し先?今回の舞台は大分県。脈々と積み上げられた人の営みは一見何も無い、つまらなさそうなことに思えるけれど、実に浪漫だったりするんですね。終盤の修正鬼会の鬼舞、その場いたら息するのも忘れて観入ってしまっただろうなぁ。2023/11/27