出版社内容情報
凶悪テロリスト・優莉匡太の四女、優莉凜香。姉の結衣を常に意識し、焦燥が混じった憎悪ばかりを募らせていた。苛烈な宿命を負った少女は生きることへの諦念を抱きつつ、一方で中学生らしいアオハルの日々を夢想した。たわいない会話で笑い合える友達、胸をときめかす淡い恋……そんな少しの希望を胸に、非情な現実に立ち向かう――。孤独を抱えるサブヒロインを真っ向から描く、完全新作の壮絶スピンオフエピソード!
内容説明
凶悪テロリスト・優莉匡太の四女、優莉凛香。姉の結衣を常に意識し、焦操が混じった憎悪ばかりを募らせていた。苛烈な宿命を負った少女は生きることへの諦念を抱きつつ、一方で中学生らしいアオハルの日々を夢想した。たわいない会話で笑いあえる友達、胸をときめかす淡い恋…そんな少しの希望を胸に、非情な現実に立ち向かう―。孤独を抱えるサブヒロインを真っ向から描く、完全新作の壮絶スピンオフエピソード!
著者等紹介
松岡圭祐[マツオカケイスケ]
1968年12月3日、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部を超える人気作となった。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化され、さらにブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞、17年には吉川英治文庫賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
328
これはこれで悪くない。本編よりも露骨にコメディ色を強めて、主役の戦闘力の差をカバーしている感じか。結衣と比較して色々なものが劣る凛香。これまでの境遇の悲惨さと、人間とは思えない不死身さだけは姉を圧倒していると思う。どんな危機に瀕しても、絶対に純潔を汚されることのない、チート設定の結衣に対し、ヤクザに米軍基地に売り飛ばされて散々な目に遇いながらも、どこかカラッとした明るさのある今作の凛香は、じゅうぶんに魅力的。決め台詞を必ず途中で遮られる流れがとても面白かった。しかも、台詞がいちいちダサい笑2022/11/03
モルク
119
優莉結衣の腹違いの妹である凜香を主人公とした高校事変シリーズスピンオフ。生意気で感情の起伏が激しく素直さがないイメージの凜香。またまた転校先で問題をおこし帯広にある全寮制の更正施設へ。そこには莫大な遺産を相続した韓国財閥の小3の御曹司が幽閉されていた。彼を救うためパグェのヨンジュらと手を組み…。淡い想い、そしてヨンジュとの友情。今まで見たことのない凜香の一面が見える。いつも姉結衣を意識し、負けまいとしてきた凜香は人から慕われる喜びを知る。結構かわいいところもあるね凜香。2023/08/27
H!deking
99
そうそうこれこれって感じですね笑 事変でいうと沖縄編とか甲子園編あたりの時系列になるのかな。結衣ちゃんの妹、凛香ちゃんのスピンオフって感じですね。なかなか読んでるこっちが小っ恥ずかしくなるアオハル全開なストーリーでしたが、事変が好きな人は読んでおくべき作品ですね。2022/11/09
mayu
79
高校事変スピンオフ。結衣の妹、凛香が主人公。時系列だと本編の沖縄編の後くらい。結衣ほどの強さや冷淡さはなく、まだ幼さがあり、行き当たりばったりな作戦にハラハラさせられる。結衣に反発しているかに見えて、ピンチに結衣だったらどうするか考えてみたり、決まらないんだけど決め台詞を真似してみたり、なんだかんだで慕っているのが微笑ましい。見守ってくれる保護者を求めて信じてみる、美少年に抱くほのかな恋心など、甘さといえばそうなんだけど、そんなところも彼女の人間らしい魅力だと思った。2022/11/17
はにこ
78
結衣と凜香の性格の違いが上手い。凜香の方が幼いのもあるけど、人間味があるなと思う。結衣は人格が出来過ぎてるんだよね。凜香の中2病なところとか、どこかアオハルを求めているところが愛おしい。高校事変では描ききれなかった凜香の細部がとても良かったと思う。続編 もぜひ読みたい。2023/02/11