出版社内容情報
新聞にいっせいに掲載された三つの死亡広告。うちの一人、宝石王古家万造氏が何者かに殺害された。光る無気味な目や大きくさけた口。復讐の怨念に燃える青髪鬼を、三津木俊助は捕らえることができるのか?
内容説明
東京の大新聞にいっせいに掲載された三人の死亡広告。しかし当人たちはみな元気で生きていた。気味のわるいいたずらかと思った矢先、このうちの一人、宝石王・古家万造が何者かに殺されかけた!「おれは青髪鬼だ。いま、復讐第一号をやってのけた」と語る、亡者のように恐ろしい形相をした犯人の正体とは…?新米記者・御子柴進が挑む難事件を凄まじい迫力で描く表題作のほか、「廃屋の少女」「バラの呪い」「真夜中の口笛」を収録。
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902年、神戸市に生まれる。旧制大阪薬専卒。26年、博文館に入社。「新青年」「探偵小説」の編集長を歴任し32年に退社後、文筆活動に入る。信州での療養、岡山での疎開生活を経て、戦後は探偵小説雑誌「宝石」に、『本陣殺人事件』(第1回探偵作家クラブ賞長編賞)、『獄門島』『悪魔の手毬唄』などの名作を次々と発表。76年、映画「犬神家の一族」で爆発的横溝ブームが到来。今もなお多くの読者の支持を得ている。81年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coco夏ko10角
16
『青髪鬼』他3作の短編集収録。 『青髪鬼』は 三津木俊助・御子柴進の事件簿シリーズ。生きてる三人の広告が新聞に掲載された、そのうちの一人が殺されかけて…。これはジュブナイルじゃなくて一貫しておどろおどろしい感じにした方が面白くなりそう。 短編は『バラの呪い』がよかった。 青髪鬼/廃屋の少女/バラの呪い/真夜中の口笛2023/10/01
コブタ
5
表紙がおどろおどろしいが内容は御子柴探偵小僧を主役?とする探偵物。表紙の絵の説明もあり、後の短編3つと合わせてさらっと読了。金田一世代としてはちょっともの足りない。2022/12/22
奥田智徳
4
横溝さんのジュブナイル作品。何にも考えずに楽しめる作品集。最後の『真夜中の口笛』不気味な作品で怖かった。2023/08/06
まめやっこ
2
「ひとみさんとおばあさん」がひとみばあさんに読めてしまってもうダメでした。志村けんが「御子柴さ~ん、助けて~」と叫んでいるのが頭の中で再生されて…横溝先生、ごめんなさい。これもジュブナイルにしたからヘンな話になっちゃったんだろうなぁ。大人向けのドロドロにしたらもっと読み応えのある話になったろうと思う。あとの短編3篇もまとまりなく尻切れトンボな終わり方で、やっぱり横溝先生は短編ヘタよね…と思いました。2022/12/06
hgstrm2
1
乱歩でいうところの少年探偵団ものに相当する作品で、単純にスリルとサスペンスに満ちていて面白いけれども、乱歩のそれと比較して、なにか物足りなさが感じられる。それは明智 vs 犯人という明確な対立構造が無かったりとか、骨格的な問題もあるけれども、やはり戦前の魔都としての東京というか、それが抱える闇のようなものが描けていないからかなという気もする。とか言いながらも横溝作品はあまり読んでないので今後も読んでみたい。2024/06/23