出版社内容情報
横溝 正史[ヨコミゾ セイシ]
著・文・その他
内容説明
避暑のため軽井沢に滞在する滋と謙三。サイクリングに出かけた先で急な夕立にあい、古びた洋館に泊めてもらうことに。2人を手厚く出迎えたのは、10年前に行方不明になった世界的サーカス王の遺児、剣太郎だった。ところがその夜、怪しい足音を聞いた滋と謙三が剣太郎の寝室をのぞくと、ベッドの天井が突然下がってきて絶体絶命…!?名探偵・金田一耕助の大人気シリーズ。金田一と怪獣男爵の対決が、ここに幕を開ける!
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902年、神戸市に生まれる。旧制大阪薬専卒。26年、博文館に入社。「新青年」「探偵小説」の編集長を歴任し32年に退社後、文筆活動に入る。信州での療養、岡山での疎開生活を経て、戦後は探偵小説雑誌「宝石」に、『本陣殺人事件』(第1回探偵作家クラブ賞長編賞)、『獄門島』『悪魔の手毬唄』などの名作を次々と発表。76年、映画「犬神家の一族」で爆発的横溝ブームが到来。今もなお多くの読者の支持を得ている。81年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井川浩
19
横溝正史の有名どころではない作品を読んでみたくて手に取りました。江戸川乱歩を思わせるような、現実的には存在が難しいような登場人物の数々で圧倒されました。収支ドタバタ感があった感じでしたね。2022/10/10
SAT(M)
6
少年誌に連載されていたジュブナイル作品。引っ張りや伏線が少ない分かなりテンポがよく、また活弁士のような大仰なストーリーテリングで話が進んでゆきます。こういう金田一もあるのかー。コドモ向け、荒唐無稽、作りがチープ、と言われればそうなんでしょうが、読者の中の「おとこの子」にガンガン訴えて来るのは間違いないです。怪獣男爵(!)というネーミングもさることながら、悪党たちが悪の秘密結社チックだったりなど、昭和の特撮を彷彿とさせる(というより年代的にこっちのほうが先?)雰囲気が味わえる作品でした。2023/01/04
marty@もぶおん学
5
夏休みに軽井沢のとある館で奇妙な体験をした立花滋少年といとこの謙三の相談を受け、調査に乗り出した金田一耕助は、事件の裏には復活した怪獣男爵の存在があることを突き止め、怪獣男爵と対決することに。奇怪な館の秘密から、怪獣男爵の狙う大金塊へ至るまでの冒険譚は、少年読者の心をワクワクさせるよう数々のスリルと仕掛けが凝らされている。クライマックスは瀬戸内海に浮かぶ大迷宮だが、金田一は『夜光怪人』に続きまたも磯川警部を袖にする。磯川警部はジュブナイルものからはハブられる運命にあるらしい。2024/03/03
ねんまに
4
今まであまり触れてこなかった横溝作品を読みたいと思っておもむろに選んだのですが、これは完全に児童向けで連載されていたやつみたいで失敗でした。荒唐無稽かつ子供騙し甚だしいもので、子供向けだからというよりも単純に手を抜きましたよねって感じの作品でした。2023/12/24
私的読書メモ3328
3
江戸川乱歩のジュブナイルを、悪いところだけ抽出して煮込んだようなというか……もう全然読めませんでした。時代特有の流行とか、そういうものがあったんでしょう。2022/11/10