出版社内容情報
時空操作、鉄筋生成、猫化、空間統御―唯一無二の力「匿技」の持ち主たちを集める「日本特別技能振興会」。自他を透明化する匿技を持つも、ある理由から組織に背を向けて生きようとする君待秋ラだったが、ある「匿技士」の死をきっかけに、終わりなき戦いに巻き込まれてゆく。その背後には戦後「振興会」発足時からの巨大な闇が横たわっていた。
内容説明
時空操作、座標交換など唯一無二の力を操る「匿技士」を集める「日本特別技能振興会」。10年ぶりに発見された透明化の能力を持つ少女、君待秋ラはその匿技ゆえ孤立した人生を送っていた。しかし鉄筋生成の匿技を持つ麻楠均と出会ったことから、振興会に所属することに。そして振興会設立に関わったある「匿技士」の死をきっかけに、君待たちは国家を揺るがすほどの陰謀に巻き込まれていく―。知略を駆使した異能力ミステリ!
著者等紹介
詠坂雄二[ヨミサカユウジ]
1979年生まれ。2007年にカッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」に応募した『リロ・グラ・シスタthe little glass sister』でデビュー。以降、様々な作風の物語に挑戦し、ミステリファンからの期待を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MATSU
33
初読みの作家さんです。特殊設定ミステリ。タイトル、主人公の名前なんですね。君待は物体や人を透明にする匿技を持つ。他にも体から鉄筋を出す麻楠などいるのですが、設定が私には少し難しく(名前も難しい)面白かっただけにしっかり読み込めなかったのが残念。コミカライズにして欲しいなぁ。そしたらもう少し分かり易いかな。そして続き出るのかな。出ないと勿体ない気がします。2023/06/24
おうつき
25
解説にもあるが、特殊な設定にも関わらず、著者の他の作品を知っているとオーソドックスな内容に思えてしまう。「匿技」と呼ばれる特殊な能力を持つ者たちと、彼らを調査する組織を巡る謎と戦い。少年漫画っぽい雰囲気にミステリとしての謎解きが加わっているのが大好物だった。能力の理屈的な部分をかなり丁寧に描写しているのも印象的。前半部分は世界や設定についての説明的な内容になっているので、全体通してもこれから始まる物語のプロローグみたいになっている。もし続編が出るのであれば読みたい。2023/04/12
ほんトモ📚読書雑談漫画描いてます
21
ちょっと変わった異能力系。透明人間ってのも便利そうだけど大変だね(見た目的に)。終わり方が最高に良かった。2025/01/26
RIN
20
透きとおった物語の後に透きとおる物語を読むのもナンセンスかとは思ったが、この作家に対してはこのぐらいの軽薄さと遊び心が作品を読む上で必要な気もする。一貫している様で飛び石の様な、彼の描く世界はどこか気恥ずかしくも懐かしい。それはきっと大人と子供の感性が不安定に混ざっているから。君待秋ラの特殊能力は透き通ること。現実から離れた場所でド派手なアクションも無く、世界は淡々と語られる。ロジカルな視点、些細な謎、隠された事実。恩田陸がプロットで走るなら、詠坂雄二はネームを開示している。いつも物語は終わって始まる。2023/07/22
なみ
19
特別な力を持つ“匿技士”たちの集まる振興会。新しく発見された匿技士は、透明化の能力を持った君待秋ラ。 透明化以外にも、鉄筋生成や瞬間移動など、様々な匿技が出てきます。 匿技に、科学的な説明がされているところがとても良かった。 主人公の君待秋ラが魅力的です。最初はつかみどころのない少女のように見えますが、徐々に人間らしいところがわかってきて、7章の最後の方は少し泣けました。 陽気なキャラクターながら、自分の役割に忠実な土倉さんが格好良い。 バトルものとしても、ミステリとしても面白かった。 続きが読みたい!2023/05/10