角川文庫<br> 毒の矢 (改版)

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角川文庫
毒の矢 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041126035
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

高級住宅街緑ヶ丘町一帯に、突然、悪意に満ちた奇怪な密告状が舞い込み始めた。差出人は黄金の矢と名乗る謎の人物。はじめは、たちの悪いイタズラと笑い過していた人々も、殺人事件が起こるにいたり、たちまち恐怖のどん底に叩き落された。被害者はアメリカ帰りの富裕な未亡人で、むき出しの背中に彫られたトランプ散らしの刺青のうちハートのクイーンの部分を、無気味なからす羽根の矢が深々と刺し貫いていた! 金田一耕助の名推理が冴える奇怪ミステリーの傑作、ほか一篇を収録。

内容説明

高級住宅街である緑ヶ丘町一帯に、奇怪な密告状が舞い込み始めた。差出人は黄金の矢と名乗る謎の人物。たちの悪いいたずらと笑っていた住人も殺人事件が起こるに至り、恐怖のどん底に叩き落とされた。被害者はアメリカ帰りの富裕な女性で、背中に彫られたトランプちらしの刺青のうちハートのクイーンの部分を、からす羽根の矢が深々と刺し貫いていた!金田一耕助の名推理が冴える名作ミステリの表題作に「黒い翼」も収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaya

21
著者の後期の作品二編が収められています。謎解きにびっくりさせられることはなく、著者の全盛時代の作品の迫力はありません。それでも、やはり物語としては面白く、一気読みでした。なお、『毒の矢』は、女性の同性愛に対する、今日では考えられない差別用語に満ちていて、数十年前の日本の社会について考えさせられました。2022/08/26

coco夏ko10角

15
金田一耕助シリーズ。 『毒の矢』黄金の矢と名乗る密告上があちこちの家に…。犯人はやりすぎたな。最後はなんだか爽やかだ。 『黒い翼』「七人の友人にたいしてこれとおなじような黒いハガキを出さないといけません。さもないと…」な不幸のハガキがあちこちに、そして一年前に亡くなった女優…。女優の秘密そうだったのかと。2023/05/17

nishiyan

14
表題作と『黒い翼』を収録。『毒の矢』は緑ヶ丘一帯にばら撒かれた黄金の矢を名乗る怪人物からの奇怪な密告状の相談を受けた金田一耕助が密告状に端を発した殺人事件に挑む内容。被害者の哀れさとともに残された者へ言及する後日談が厚めに語られているのが印象的だった。犯人は二匹目のドジョウを狙って怪文書を撒いていたのなら許しがたい。『黒い翼』は映画監督に招かれた金田一耕助が不幸の葉書とある映画スターの死にまつわる殺人事件に巻き込まれる内容。眼前での毒殺に闘志を燃やす金田一がスターの死の真相も解き明かすのだから面白い。2023/01/26

餅屋

5
昭和31年春の金田一探偵、高級住宅街である世田谷区緑ヶ丘を舞台とした恐喝ものの連作▼黄金の矢と名乗る謎の人物からの奇怪な密告状。被害者の背中に無気味なからす羽根の矢が深々と刺し貫いて▲短めの長編ですが、きちんと推理しています。郊外と描写される新しい町、調布市か目黒区か高級なら後者がモデル?戦後復興期の新しい人間関係の中で起こる事件。都会ものとも違う明るい金田一でした■「黒い翼」こちらは短編、映画スターたちが巻き込まれる事件現場がこの町。表題作と同時期ですが、いつもの何もしない暗い金田一ですね(1956年)2023/01/20

私的読書メモ3328

5
表題作と、そのほぼ続編といえるもう一作が収録。「お前の奥さん、レズ不倫してるぜ」という脅迫状から始まる表題作の冒頭はインパクト大。2022/08/19

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