出版社内容情報
その歌の才により皇后の寵愛を受け、「歌子」と名付けられた女官がいた。しかし、その後女は“妖婦”と新聞で取り上げられる。明治の宮廷を襲った一大スキャンダルの真相を暴く、林真理子最初の歴史小説。
内容説明
美濃の士族の出でありながら、その歌の才により皇后の寵愛を受け、「歌子」という名を賜わった女官がいた。しかし数十年ののち、女は平民新聞で「妖婦下田歌子」と取り上げられることとなる。後宮を辞した後は華族女学校で新たな時代の女子教育に尽力した一方で、伊藤博文、山縣有朋ら高官との不埒な関係が報じられた下田歌子。明治の宮中を揺るがした大スキャンダルの真実とは―。著者初の歴史小説!
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年、山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、95年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞を受賞。18年紫綬褒章受章、20年菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とんかつラバー
13
明治皇后の寵愛を受け、華族女子学校の最高責任者にまで上りつめた下田歌子。彼女の事は知らなかった(教科書には出てこなかったと思う)平民新聞の下世話さが今の週刊誌と変わりなくて人間って進歩してない。原爆2発も落とされて大敗戦の日本の礎を作る日本男児乃木vs旦那の介護に明け暮れる女が夜の生活がなくて抱いてやったら喜ぶだろうのヒヒ親父伊藤、ファイッ!!スケコマシ教祖の飯野がまだマシに思えてくる2023/10/18
Shinya Fukuda
2
日露戦争終戦から3年後平民新聞に連載された下田歌子に関する記事から物語は展開する。政治家、医学者、女官等々様々な人々が絡んでくる。10人位にはなると思う。明治帝と乃木大将、皇后と下田歌子。この関係が基軸になっている。伊藤博文から見た下田歌子像は伊藤自身が乱反射しているとは解説の朝井さんの見方。飯野吉三郎と下田歌子の関係は生々しい。しかし飯野は重要人物ではない。最後の乃木大将の女性観は酷い。今なら社会から抹殺されてしまうだろう。明治帝も乃木大将に責任をなすりつけて逃げている。皇后とは仲悪かったのではないか。2022/07/29
とんとん
1
宮中で働きのちに女子教育に貢献した下田歌子さんについてのゴシップ記事が軸になっている。記事の内容がどこまで事実なのかわからないが、伊藤博文や乃木希典など歴史で習った人々が関わったとのことで興味深く読めた。ミカドの淑女という題名で、最初は下田歌子さんのことを指しているのかと思っていたが、あとから考えると皇后や権典侍など色んな立場の女性たちのことも含まれているのかもしれない。ある意味ミカド対皇后の物語だった。2023/05/14
さん
0
歌子さん、存じ上げなかったです。歴史の授業時間は寝てました…。登場人物のオムニバスになってたのですが、お話に合わせて妄想し、wikipediaで写真見て「あー。」「うーん。」「ほぅ…。」「あれ?同僚の○○さんに似てる!」などと答え合わせ(何の?)してしまいました。「目立つ女は悪女になりやすい(仕立てられやすい)。」、ここ最近の教訓です(笑)。2023/02/28
猫のかずは16歳
0
下田歌子を初めてこの本で知った。あと、伊藤博文もこんな感じなんだと初めて知った。衝撃的でした。852022/10/22