出版社内容情報
神田小柳町の裏店で暮らす、廻り髪結の姉・お松と、妹・おれん。おれんは両替屋で手代となったばかりの弥吉から所帯を持とうと告げられ、哀しい恋の過去を持つお松も錺職人の蔦次と良い関係となり、姉妹の家は幸せにあふれていた。だがある日、店の金を奪われそうになった弥吉が誤ってやくざ者を殺してしまい、無情にも遠島を申しつけられてしまう。哀しみに暮れながらも帰りを待つと誓ったおれんだが、なぜか姉妹にあやしい影がつきまとい始める。ついに人気のない場所で匕首を突きつけられたおれんは、背後から良く知った声を聞く――「おまえらは、見なくていいものを見てしまった」。そこに助けに入ったのは、同じ髪結の郷太で……? 江戸の片隅、健気に生きる髪結い姉妹の波瀾万丈な恋模様を描く人情時代小説。
内容説明
廻り髪結のおれんと姉のお松。女たちのもとに赴いて髪を結いながら、悩みや恋模様に耳を傾ける日々を送っていた。おれんは恋心を抱く弥吉と所帯を持つことを夢見ていたが、ある日誤ってやくざ者を殺してしまった弥吉は島流しになる。哀しみつつも帰りを待つと誓ったおれん。だが、その頃から姉妹にあやしい影がつきまとい始め…。髪を通して江戸に生きる女たちの生き様に触れ、成長していくおれんの波瀾万丈な恋物語。