夜の夢こそまこと―人間椅子小説集

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夜の夢こそまこと―人間椅子小説集

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  • サイズ 46判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041121702
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0093

出版社内容情報

江戸川乱歩をはじめとする文学、怪奇、幻想をテーマとした音楽性で注目され続ける人気ロックバンド「人間椅子」。国内外から高い評価を受ける彼らの楽曲を題材に、大槻ケンヂら各ジャンルから集結したトガり切った執筆陣が小説を執筆! 土俗ホラー、ディストピアSF、異形の青春――音楽と文芸の融合が奏でる、暗く、熱く、激しいビートがあなたを包み込む。


装画:沙村広明

内容説明

果てしなく暗く、身を焦がすほど熱い―。異色のビートが魂を揺らす。地獄が開き、魑魅魍魎たちの青春の宴が蘇る。「地獄のアロハ」大槻ケンヂ。絶望の淵で出会ったマレビト。彼らの正体とは。―「なまはげ」伊東潤。子供たちが帝都に作り上げた、エセ教団の活躍と暴走。―「超自然現象」空木春宵。屈折しきった魂の叫びが、電波に乗って放たれる。―「遺言状放送」長嶋有。永遠の幻夢か、平穏な日常か。僕の世界に選択の時が迫る。―「暗い日曜日」和嶋慎治。

著者等紹介

伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。2013年、『国を蹴った男』で第34回吉川英治文学新人賞、『巨鯨の海』で第4回山田風太郎賞(13年)と第1回高校生直木賞(14年)、14年、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞など受賞多数

空木春宵[ウツギシュンショウ]
1984年、静岡県生まれ。2011年、「繭の見る夢」が第2回創元SF短編賞佳作に。19年、「感応グラン=ギニョル」を発表。21年、同作を表題作とした初の作品集を刊行し、話題となる

大槻ケンヂ[オオツキケンジ]
1966年、東京都生まれ。ミュージシャン。82年、ロックバンド「筋肉少女帯」を結成、その後脱退。2006年に再始動。00年、「特撮」を結成。アルバムに『エレクトリックジェリーフィッシュ』など。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」が2年連続で星雲賞を受賞するなど、文筆業でも活躍

長嶋有[ナガシマユウ]
1972年生まれ。2001年、「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。02年、「猛スピードで母は」で第126回芥川賞、07年、『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞、16年、『三の隣は五号室』で第52回谷崎潤一郎賞を受賞

和嶋慎治[ワジマシンジ]
1965年、青森県生まれ。ミュージシャン。87年、ロックバンド「人間椅子」を結成、90年、アルバム『人間失格』でメジャーデビュー。ギターとボーカルを担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

『よ♪』

49
うつし世はゆめ よるの夢こそまこと──言わずと知れた乱歩の言葉だ。現世は人に好く見せようと演じ着飾る虚構、夢の中こそが本当の自分を出すことが出来る世界。そんな意味が込められている。受ける印象は幻想的で美しいファンタジアだが、実のところ陰鬱で奇想天外な独創が乱歩の世界。本作はバンド『人間椅子』の楽曲をモチーフとしたアンソロジー。収録された五編も独創的で奇想天外。「地獄のアロハ」「なまはげ」「超自然現象」「遺言状放送」「暗い日曜日」タイトルからして摩訶不思議。だが、その奥底に見えたであろう。己が"真"が──。2022/11/08

いちろく

25
実は、江戸川乱歩の「人間椅子」をモチーフにした作品と勘違いして手にした作品。ロックバンドの方の「人間椅子」の曲をモチーフにした短編集。お気に入りは、以前筋肉少女帯のファンの知人が居たので懐かしくなった大槻ケンヂ氏の「地獄のアロハ」。実話なのか? 虚構なのか? 読み手側に判断を委ねるような独特な世界観が堪らなかった。同氏に関しては毎月某誌上でエッセイを見かけるので、文筆家のイメージです。ファンの人には「違う!」と言われそうですが。2023/01/10

タカギ

24
沙村広明の装画が気になった。『無限の住人』の作者だが、彼の『ブラッドハーレーの馬車』は私のトラウママンガのひとつ。猟奇好きなのよね。〈人間椅子小説集〉なので、江戸川乱歩トリビュートかと思ったら、バンド名でした。フロントマンの和嶋氏が乱歩好きのようなので、あながち間違いではないけど。5名の作家が人間椅子の楽曲を小説化したアンソロジー。うちひとりは和嶋氏本人。大槻ケンヂを久しぶりに読んだけど、一番好きだった。他は同じくらいかな。2023/04/07

ぴんく

11
長年、彼らをよく聴くなんて言うと、へぇ知らないわマニアックなだね!と返されるのがテンプレでしたが、ここ数年は国内音楽に少し詳しい方には随分名前が知られてきた我らが人間椅子。5つの短編はどれも椅子愛に溢れてるんだなー。ファンには堪りませんわよ(笑)やっぱりオーケンやワジーの、その立場からの物語創作は垂涎モノだし、他の三つの世界観ももちろんいい!特に高校生の中2病っぷりは笑っちゃったわ。また、人間椅子がすきになりました!2023/02/05

きょん

7
バンド「人間椅子」の曲をモチーフにした短編集。どれもバラエティーに富んだ作品たち。伊東潤さん「なまはげ」は彼らの出身地青森を舞台に、自殺が多いと言われる東北の寒村の厳しさを描く。空木春宵さん「超自然現象」は関東大震災後の混乱する世の中で、壮大な詐欺を仕掛ける子どもたちを描く。この2作が特に印象深い。長嶋有さん「遺言状放送」、これは読んでいて「曲を聞かなきゃ!」と初期の名曲を聞きながら読んだ。読後感よし。大槻ケンヂさん、和嶋慎ニさんの作品もそれぞれに良かった。人間椅子、濃いなぁ、、、2024/11/15

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