出版社内容情報
絶体絶命の窮地にあり、主君を逃がすため、自らが犠牲となって敵陣に飛び込んだ若き武者。その名は島津豊久。その知られざる半生を、緻密な筆致で描いた書き下ろし長篇歴史小説。
内容説明
慶長5年(1600年)、東軍優勢の関ヶ原の戦いで退路を断たれた島津勢は、絶体絶命の窮地にあった。もはや敵陣突破のみが最後の手段となった時、その先鋒に立つ男がいた。その武者の名は、島津中務大輔豊久。佐土原城主・島津家久の子として生まれ、元服前の15歳に沖田畷の戦いで初陣を飾った若武者は、島津家を守るため、苛烈な戦場に身を置く運命を選ぶ。知られざる戦国の英傑の半生を描いた、著者渾身の長篇歴史小説。
著者等紹介
近衛龍春[コノエタツハル]
1964年生まれ。大学卒業後、オートバイレースに没頭。通信会社勤務、フリーライターを経て『時空の覇王 戦国放浪者信長 本能寺脱出行』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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西
13
島津家がどうやって残っていったか、これはなかなか凄まじいドラマだと思う。秀吉、家康との間をうまくわたり歩き、家を守り切ったしたたかさ、粘り強さ。そこから明治維新までつながるのかと思うと感慨深いものがある2022/06/26
HaruNuevo
8
戦国末期の島津家というとどうしても島津義弘が頭に浮かぶが、その甥にして数々の戦場を駆け抜けた豊久 関ヶ原の退き戦で、薩摩島津家を残すためには義弘を薩摩に帰らせることこそ必要と見極め、身を棄てる覚悟で戦場に残り、散華した彼がいなければ、幕末に島津家が大きな役割を果たすこともなかったのかもしれない 死して歴史を作った知られざる名将の鮮烈な物語だった2021/12/16
スプリント
7
島津家の内情が詳しく書かれていて楽しめた。 島津義久は死に場所を誤り鬱屈し、家久、歳久は不慮の死を遂げた。 2022/02/01
ikedajack
4
島津豊久の物語。豊久の活躍で島津藩が生き残り徳川の世を終わらす事に繋がってると思うと考え深い。秀吉の朝鮮出兵時や義弘を命を掛けて逃がす関ヶ原の戦いなど読みどころ満載でした。2022/04/25
BB
0
ドリフターズは見たことあるが、やはり一度は豊久を扱った歴史小説を読んでみたかった。ラストの退き口は圧巻。2023/06/23