出版社内容情報
絵師を目指し、安房から江戸に出て十年。菱川吉兵衛は、吉原と芝居小屋という「二大悪所」に入り浸る自堕落な日々を過ごしていた。
狩野探幽への弟子入りを門前払いされたものの、その面目なさから郷里の縫箔屋の跡を継ぐ決心もできずにいたのだ。
そんな中、ひょんなことから吉原の女たちの小袖に刺繍を施すことに。福良雀と笹の葉、波千鳥、吉祥文様の宝珠、玩具の手毬や扇子に草花。
さまざまな美しい意匠を縫い付けながら、吉兵衛は、未来の見えない辛い日々の中でも懸命に明るく生きようとする彼女たちの心の温もりに励まされ、再び筆を執ることを決意する。
だが、ある日突然巻き起こった大火に吉原と江戸の街が飲み込まれ……。江戸の人々の暮らしを見つめ続けた菱川師宣こと吉兵衛が本当に描きたかったものとは?
浮世絵の祖の生涯を描く、人情と愛に満ちた波瀾万丈の浮世絵師小説。
内容説明
絵師を志すも挫折を味わった菱川吉兵衛。気づけば十年もの間、吉原と芝居小屋という「二大悪所」に入り浸る日々を過ごしていた。そんな中、つらい憂き世をあえて楽しもうとする遊女たちの心意気に励まされた吉兵衛は、再び絵筆を執ることを決意する。だが、ある日、巻き起こった大火に江戸の町が飲み込まれ…。吉原の遊び人から成りあがった、江戸一番の絵師、菱川師宣。時代を写し取り、浮世絵の祖となった男の波瀾万丈の生涯。
著者等紹介
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。フリーランスライターのかたわら小説執筆を開始し、2005年「い草の花」で第12回九州さが大衆文学賞大賞を受賞。08年「一朝の夢」で第15回松本清張賞を受賞し、単行本デビューを果たす。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を獲得し、16年『ヨイ豊』で第154回直木賞候補となり、同作で第5回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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