出版社内容情報
芦屋の定食屋「ばんめし屋」に節分の時期が。
巻き寿司の提供で盛り上がる中、海里の後輩・李英が店を訪れる。
体を壊し役者を休業中の彼は、海里が通う朗読のレッスンに参加したいと言う。
海里は快諾するが、師匠で女優の悠子と李英のやりとりを聞いて、
李英のほうが才能があるのではと愕然とする。
それを機に仲違いしてしまうが、
店長の夏神のはからいで、有馬温泉に2人きりで旅行することに……。
友情と親子愛に涙溢れる第17弾!
内容説明
芦屋の定食屋「ばんめし屋」に節分の時期が。巻き寿司の提供で盛り上がる中、海里の後輩・李英が店を訪れる。体を壊し役者を休業中の彼は、海里が通う朗読のレッスンに参加したいと言う。海里は快諾するが、師匠で女優の悠子と李英のやりとりを聞いて、李英のほうが才能があるのではと愕然とする。それを機に仲違いしてしまうが、店長の夏神のはからいで、有馬温泉に2人きりで旅行することに…。友情と親子愛に涙溢れる第17弾!
著者等紹介
椹野道流[フシノミチル]
兵庫県出身。1996年「人買奇談」で講談社の第3回ホワイトハート大賞エンタテインメント小説部門の佳作を受賞しデビュー。法医学教室の監察医としての経験も生かし、「鬼籍通覧」シリーズ(講談社文庫)など監察医もののミステリも発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
240
李英の才能に嫉妬すると言うことは、海里は李英の実力を認めてるということだろうね。互いに実力を認めつつ、切磋琢磨してほしいな。そして、時には喧嘩や言い合いもいいではないか。喧嘩するほど仲が良いというしね。それにしても、悠子さんに、そんな過去があったとはねえ。海里のおかげで悠子さんの後悔も解決。久しぶりに、いつもの最後の晩ごはんらしい話で良かった。ラストはジーンときた。マカロニグラタン、久しく食べてないなあ。食べたくなってきたよ。具だくさんにしてね。2022/03/25
タイ子
117
シリーズ第17弾。何だか今回は感情移入する部分もあって、胸が熱くなった。海里は病後で役者休業中の季英を連れて朗読の師匠である悠子のレッスンに行くが、それが元で2人が仲違いをするという切ない話。でも、海里の気持ちがわかるだけにグッとくるんだよね。可愛い後輩の李英だからこそ余計感情が噴出すると思う。そして、もう一つは悠子と息子との悲しい想い出。この作品で主体となる幽霊が今回はロイドのおかげで、思い残した事、後悔していたこと、亡くなった息子との絆を取り戻すことができる。言葉で伝える想い、どんな時でも必要だな。2022/03/04
蒼
86
海里後輩に嫉妬し仲違い。仲が良いからこそその嫉妬を表に出す事はおろか、嫉妬している事を認める事も素直には出来ないのでしょうけど、基本的にお互いを認め合っているからすれ違いを修正出来るのね。でもそれより海里の芝居の師匠悠子さんと、事故で亡くなった息子拓己さんの仲を取り持つロイドとのコンビプレーは見事。まるっと泣かされました。李英と二人朗読劇を披露できるのはいつになるのかなぁ?待ち遠しいです。2022/03/20
真理そら
83
李英クンが順調に回復していて良かった。海里と李英の間に亀裂が!二人のようにいい関係ができてしまうと逆に本音って言いにくくなることもあるかもしれないと思ったりしながら読み進む。今回は倉持先生夫妻の哀しみが物語の中心。レシピはご馳走スコッチエッグで美味しそうだけれど、こんなに手間暇かかるものはとても作れないと思う読者なのである。2022/02/23
ぶんこ
62
思いもよらずに大切な人が亡くなってしまう。喧嘩して言ってしまった言葉。感謝の言葉、そんな言いたかった言葉の数々が残された人を苦しめる。今回は悠子先生の海難事故死した息子さんの幽霊が現れます。有馬温泉の守沢さんは奥様に言葉をかけられないままでしたが、その時の辛い気持ちは海里にしっかり伝わっていました。息子さんが成仏できて本当に良かった。海里は李英の才能に嫉妬し、そんな自分がいやになったりと、揺れ動きましたが、夏神さんやロイドに支えられて、李英との朗読に挑む勇気を得て前に進み始めました。2022/07/15