内容説明
片瀬の沖に浮かんでいた若い女の変死体。その女の首はなく、内股にはスペードのクイーンをあしらった刺青があった!警察の調べにより、今は亡き名人彫物師彫亀の作で、全く同じ刺青をしたもう1人の女も、行方不明であることが判明した。いったい殺されたのはどちらの女なのか?そして彫亀が、2人目の女にほどこした細工とは?複雑にからみ合う謎に金田一耕助が挑む。横溝正史がサスペンス豊かに描いた、本格推理小説。
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902年、神戸市に生まれる。旧制大阪薬専卒。26年、博文館に入社。「新青年」「探偵小説」の編集長を歴任し32年に退社後、文筆活動に入る。信州での療養、岡山での疎開生活を経て、戦後は探偵小説雑誌「宝石」に、『本陣殺人事件』(第1回探偵作家クラブ賞長編賞)、『獄門島』『悪魔の手毯唄』などの名作を次々と発表。76年、映画「犬神家の一族」で爆発的横溝ブームが到来。今もなお多くの読者の支持を得ている。81年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coco夏ko10角
23
金田一耕助シリーズ。寝てる女性に同じ刺青をしてその後事件が…って昔読んだことが…でもこの作品は初読だ、前に読んだのはなんだろう、思い出せなくてずっとモヤモヤしてる。刺青のある首なし死体は誰なのか?の謎も事件の流れも面白かった。終盤はやや駆け足に感じた。2022/10/12
寝落ち6段
14
首のない死体は、その死体が誰なのか、というのが中心となる謎だ。目下のところ予想されている人物なのか、身代わりの誰かなのか、そこを同定するところに面白さがあり、なぜ首を切ったのかという物語全体のトリックに繋がる謎である。クイーンの刺青をどう扱うのかを楽しむ話だった。彫亀がとてもよいキャラクターだった。なまじ、そういう世界で生きてきただけあって、一筋縄ではいかぬ人物だった。物語の入口だが、悪魔たちの妖しい悪巧みもあり、好みのシーンだった。2024/11/18
ミキ
6
2024-39:入れ替わりなどトラックが面白かった。犯人はこんな人いたっけというくらい影が薄かった。2024/05/13
T.あまみや
6
没後40年&生誕120年記念企画での復刊。 首なし死体の内股にはスペードのクイーンをあしらった刺青が。一体殺されたのは誰か? サスペンス色も色濃い本格推理小説です。2022/03/12
らむだ
5
作者も何度か書いており、ミステリの定番でもある“顔のない死体”作品。死体の内股にスペードのクイーンをあしらった刺青があるという点が出色。事件自体はそこまで複雑でなく、展開もとんとん拍子で読みやすい仕上がりになっている。2024/02/27
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- 和書
- 胡媚児