箱庭の巡礼者たち

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箱庭の巡礼者たち

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041116555
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

洪水で流れ着いた黒い箱は不思議な別世界と繋がっていた。王族が圧政を敷き、竜が生まれ、吸血鬼が人知れず夜を歩く、そんな「箱庭世界」の観察が少年・内野聖の青春だった。ある日、恋人の絵影久美が箱の中に行くと言い出す。二度と戻れないとしても、箱の外から見ていた自分にしかできないことを果たすために。ただ箱を見つめるだけだった二人の人生は、箱の中と外で目まぐるしく変わり始める(「箱の中の王国」)。時を越える時計、超強力な接着剤、意思を持った機械、そして不死の薬。異能の道具が紡ぐ一繋ぎの連作集。

内容説明

ある夜、少年は優しい吸血鬼を連れ、竜が棲む王国を出た。祖母の遺志を継ぎ、この世界と繋がる無数の別世界を冒険するために―。時空を超えて旅する彼らが出会った不思議な道具「時を跳ぶ時計」、「自我をもつ有機ロボット」、そして「不死の妙薬」。人智を超えた異能がもたらすのは夢のような幸福か、それとも忘れられない痛みか。六つの世界の物語が一つに繋がる一大幻想奇譚。

著者等紹介

恒川光太郎[ツネカワコウタロウ]
1973年東京都生まれ。大東文化大学卒。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞。単行本はデビュー作にして直木賞候補に。続く『雷の季節の終わりに』と『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(角川文庫版は『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補と、新作を出すごとに注目を集める。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

318
8月の第一作は、恒川 光太郎の最新作、恒川 光太郎は、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、幻想奇譚の短編集、オススメは『箱のなかの王国』&『洞察者』でした。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322104000336/2022/08/01

のぶ

189
6つの短編とそれに伴う短い「物語の断片」が添えられた作品集。それぞれは独立しているように見えるが、他の話と繋がる部分が微かにある。ジャンルはファンタジーあり、SF色の強いものもあった。作品の評価はというと、好みのもの、そうでないもの、難解で分からないもの(最後の「円環の夜叉」)様々で、ある意味バラエティーに富んでいた。個人的に一番のお気に入りは、最初に収められている「箱のなかの王国」だった。これが今までの恒川さんの作品の流れに近い気がした。他の方の評価は全体を通して高いようなので、あくまで個人的です。2022/07/10

はにこ

175
恒川さんらしい独特な空間の物語だった。時代や場所を変えながらもどこか繋がっている。時間を超えたり不死身に近かったり、吸血鬼がいたり。こんなことありえないって思うけどありえないと言い切れるのだろうか。未来にあることかもしれない。想像すると面白い。2022/08/18

とろとろ

159
ある時、黒い箱を拾った小学生がその中を覗いてみると箱庭のような一つの世界があった。中学生になって知り合った女友達にその箱のことを教えると、その子はついに中に入ってしまった。箱の中の世界で、その子はジャンヌ・ダルクの様に生きて死んでいくのだが、それから話は箱の中の住人の視点に変わる。箱の世界は目に見えない壁によって四方が取り囲まれているが、次元干渉装置を使えばその壁を抜けて別の箱庭世界に行けるのだという。要するに多次元世界ファンタジーとでも言えばよいのかしら。好き嫌いの大いに分かれる話。自分は好きだけど…。2022/10/14

ちょろこ

155
フィーリングの一冊。流れ着いた小さな箱から始まる壮大な時間と世界。時に残酷、時に物哀しさが灰色のさざなみのように心を揺らしてくる感覚は言葉にできない好きが溢れてくる。これはまさにフィーリング。各々独立的に見せられながらも、緩やかな交わりの時を手繰り寄せる瞬間はまるで浪漫飛行をしている気分。自分の創り上げた時間がもしかしたら誰かの新しい時間へ繋がるかも。過ちを遺し伝え世界は再生して行くのかも。この世も今もしかしたら誰かに覗かれ、行く末を見つめられているいる途中の箱なのかも。そんな想像妄想がまた楽しい読後感。2022/08/15

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