出版社内容情報
住宅街で起きた大学生撲殺事件。不可解な点を残しながらも、目撃証言と凶器に残った指紋から犯人は確定したかに思われた。しかし、海水浴場での溺死事件と連続婦女暴行事件との奇妙な繋がりが判明し……。
内容説明
「ここまで証拠が揃っていながら、なぜ黙秘するんだ」。船橋市の住宅街で起きた大学生撲殺事件は、目撃証言や指紋からすぐに前科のある板前の男が容疑者として浮上する。逮捕後も男が事件について完全に口を噤む一方、別の事件との奇妙な繋がりが次々と判明していく。彼が隠しているものとは一体何か―。船橋署の香山刑事らは事件の真相を追って男の過去に迫っていく。頑なな沈黙に隠された衝撃の真相に心震えるミステリ。
著者等紹介
翔田寛[ショウダカン]
1958年東京都生まれ。2000年「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。01年「奈落闇恋乃道行」で第54回日本推理作家協会賞(短編部門)候補となる。08年『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞受賞。14年「墓石の呼ぶ声」で第67回日本推理作家協会賞(短編部門)候補に。17年『真犯人』で第19回大藪春彦賞候補になり、18年にWOWOWで連続ドラマ化。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たーさん
19
どことなく昭和の雰囲気漂う「船橋署」シリーズ。夜間に発生した大学生殺し。目撃証言や凶器に着いた指紋から簡単に被疑者が割れ逮捕されるが完全黙秘…。今回も「冤罪犯」で活躍した埴輪の兵士こと香山巡査部長らが事件を追うストーリー。 大学生殺しの容疑者として逮捕された傷害の前科をもつ男。重い十字架を背負った被疑者を解きほぐす過程が良かったけどなんとなく古くさい(笑)でも刑事達が追う正統派警察捜査小説で良かったです。2021/08/30
すたこ
14
★★登場人物というか出てくる名前が多すぎて、誰が誰やら混乱しまくってしまった。そして事件に関わる主な人々が揃いも揃って自分のことしか頭にない奴らばかりで嫌になる。半分イライラしながら読んだ。刑事たちもなんか古臭いし。事件が繋がる様子はハラハラしたけど、ちょっとうーんって感じ。2023/09/04
のぼる
13
前作より4年空いて読んだシリーズ2作目。 前作もそうだったように思うが、地道な捜査で真相に迫る流れが好み。 しかし、主人公の香山や増岡がもっと前面に出てきて欲しい。シリーズ続編も読みたい。2024/11/16
りょう
9
ある民宿で働いていた腕のいい板前が、殺人容疑で逮捕されます。でも、なにも言わない。いくら調べてもこの板前のいい評判しか聞こえてこない。傷害事件の前科があるのに。民宿の息子の溺死、まえの傷害事件、最近立て続けに発生してる暴行事件、そこに有力議員の息子の影が。政治家の圧力がかかるなかで、過去の事件も洗い直そうとする現場の頑張りと、板前さんの辛い過去。最後には全部が、解き明かされて、すっきりです。2021/11/14
ひねもすのたり
8
【Kindle Unlimited】船橋署刑事課・香山亮介シリーズの2作目。 殺人で逮捕され黙秘を貫く男と刑事たちの攻防を描きます。 良くも悪くも2時間サスペンス的なノリはスルスルと読めるし、高倉健っぽい黙秘男も悪くありません。 ドラマにしたら面白いそうだなと思ったらテレ東でドラマ化されていました。香山は小泉孝太郎で黙秘板前は市原隼人ですげぇ納得。 この作家さん十八番である誘拐モノのクオリティーを期待するとハズすかもしれませんが、地元がリアルに描かれているから楽しめました。千葉県民におススメです。★42025/02/20