出版社内容情報
「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子。外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生……。
すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。
内容説明
「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子、外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生…。すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
134
単行本で読了済みなのをすっかり忘れ、大好きな荻原さんの文庫が出るぞと張り切って購入したので、文庫でも再読しました。今読んだら『あなたによく似た機械』が1番良かったです。2021/12/22
となりのトウシロウ
101
さらっと読めて心にじんわりくる7つのお話からなる短編集。それぞれが色んな人づきあいを多彩に描く。中でも印象に残ったのが、「僕と彼女と牛男のレシピ」。バーテンダーの上林と7つ年上の看護師の彼女と彼女の息子ウシオのお話は、プッと吹き出しそうになるもジンワリくる。もう一つは「人生はパイナップル」。じいちゃんとその孫のぼくがじいちゃんに野球を教えてもらいながら、じいちゃんが台湾で過ごした人生が描かれる。巻末の中江有里の解説も良い。どんだけ曇っていても、雨が降っていても、見えないけれど厚い雲の上には青い空がある。2023/06/30
涼
88
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/01/post-0c69-1.html 新たに読んだのですが、以前書いた記事をリンクさせます。2022/10/17
ふう
82
7話の短編集。野球選手、アンドロイド、シングルマザーや双子、何と幽霊までが登場する独立した話です。展開が読めそうで、おっとそう来たかというところが荻原氏らしいですね。生きているといろいろなことがあって、いいことよりそうじゃないことの方が多いかもしれないけど、それでも空は青い。そっと手をさしのべてくれる人、寄り添ってくれる人がいると思わせてくれます。わがままな好みで言うと少し物足りなさを感じますが、こんな小さなドラマがわたしたちの日常かもしれません。2021/12/02
mayu
75
ほっこりするお話あり、ちょっと不思議なお話もあり、彩豊かな短編集。人生、思い通りにいかないことも多い。気持ちがうまく伝わらずすれ違うこともある。それでも、上を見上げてみたら青空が広がっている。たとえ雲におおわれて見えない日があったとしても、その向こうには青空があるはず。そう信じて、今出来ることをしてみよう。そんな力をくれるのは全編共通。閉ざされていた牛男の心がだんだん開かれていく「僕と彼女と牛男のレシピ」、予想外の結末に驚いた「あなたによく似た機械」が印象に残った。2023/02/19