出版社内容情報
大正七年の秋、与謝野晶子は大阪で宙に浮かんでいた。夫である鉄幹と共に通天閣の足元に広がる遊園地「ルナパーク」を訪れたものの、夫の言葉に血がのぼり彼を置き去りにひとりでロープウェーに乗ったのだ。電飾まぶしい遊園地を見下ろし、夫婦というものの不確かさを嘆く晶子。そのとき突然ロープウェーが止まり、空中で動かなくなって……。(「夫婦たちの新世界」)
遠野には河童や山男など不思議なものがたくさん潜んでいるという。隣村を目指して朝もやの中を歩いていた花子は、「くらすとでるま…」という不思議な声を聞く。辺りを見回すと、そこには真っ赤な顔の老人がいた。かつて聞いたむかしばなしに出て来る天狗そっくりの老人から逃げ出そうとする花子だったが、今度は黒い頭巾に黒い蓑をまとった怪しい男から「面白い話を聞かせてくれないか」と尋ねられ……。(「遠野はまだ朝もやの中」)
ほか全8篇。
内容説明
芥川龍之介×日常の謎―さえない男の恋を叶えた不思議な「願掛け」。その絡繰りとは?与謝野晶子×極限推理―宙づりになったロープウェー。原因を突き止め、脱出せよ!宮沢賢治×怪異譚―遠野の童・花子が語る、それは不思議な昔ばなしか、それとも―。ほか5篇。
著者等紹介
青柳碧人[アオヤギアイト]
1980年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞しデビュー。「西川麻子」「猫河原家の人びと」などの人気シリーズを手がける。19年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』で第17回本屋大賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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