内容説明
花咲き乱れる初夏の北海道・札幌。ひょんなことから『くま弁』で宅配のアルバイトを始めた雪緒は、配達先で様々な事情を抱えた客と出会うように。最初はとまどったものの、お弁当に心を込めたお品書きを添えることで雪緒なりに彼らの悩みを癒やしてきた。次第に今の仕事に充実感を覚えるようになってきたある日、突然家出した弟が訪ねてくる。しかも彼は雪緒に「次の冬も今の仕事してると思う?」と問いかけてきて…!?
著者等紹介
喜多みどり[キタミドリ]
北海道出身。第1回角川ビーンズ小説大賞を受賞し、「天空の剣」(書き下ろし)にてデビュー。登場人物のリアルで丁寧な心理描写、ストーリー構成に定評のある実力派(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
233
ユウ君と千春は相変わらずの仲の良さ。雪緒は応援したくなるね。今作は弁当よりは、持ち寄られたお菓子などに興味がわく。鮭トバもコマイの一夜干し(乾物の方です)も久しく食べてないな。もりもとのハスカップジュエリー、食べたくなった。今作の物語のキーワードは手紙かな。メール、電話もいいけど、想いを込めた文と文字によって、メールや電話以上に温かさと想いが伝わるようなことを言いたかったのかな。手紙もたまにはいいかもね。さて、鮭トバ、コマイの一夜干し、もりもとのハスカップジュエリーのどれかを早速買って食べようかな。2021/05/12
ツン
103
姉弟の話がいいなって思ったけど、先輩後輩の話もいいな。。安定のクオリティでした。2021/04/26
オセロ
90
Kindle Unlimitedにて。作者さん8冊目・シリーズ2作目。 今回も雪緒の心遣いが身に沁みる…。 仕事で失敗して落ち込んでいる雪緒の弟・薫を励ます2人の思い出のボルシチ弁当、雪緒が守れなかった前の職場の後輩・猪笹にはちょっと思うところがありましたが、彼女の夢を後押しする豚すき煮の日替わり弁当の話はどちらも美味しそうでホッコリ。でもそれ以上に印象的だったのは幽霊におはぎを届けてほしいという常連客の菊彦さんの話。2024/02/20
mayu
64
雪緒は弟からプレゼントされた手編みのスヌードで暖を取りつつ・・・。えっ!薫くんが手編み!!思わず二度見、二度読み。弟の薫くんのことや、前職を辞めるきっかけになった後輩、猪笹美月が登場し、雪緒の人となりが語られるが、面白くないわけではないのだけど、やっぱりユウと千春の話が読みたい。美味しそうなお弁当の描写が読みたい。雪緒は新しい道に踏み出しそうだし、宅配篇は終わるのかな?幽霊の話が面白かったな。2021/07/13
よっち
62
初夏の北海道・札幌。自分なりに彼らの悩みを癒やしてきた次第に今の仕事に充実感を覚えるようになってきた雪緒に、ある日突然家出した弟が訪ねてくる第二弾。弟が雪緒を訪ねてきた理由、熱を出して体調不良となった千春の密かな悩み、墓所の幽霊におはぎを届けたい理由、そして雪緒のかつての後輩との再会。相変わらずな千春とユウさんのほのぼのとした関係も何か微笑ましかったですけど、周囲の人達とのかけがえのない関係があって、弟やかつての後輩との関わりから垣間見える思っていた以上に今の仕事に愛着を感じている雪緒の姿が印象的でした。2021/06/02