出版社内容情報
「世界の終わりを見たくはないか――?」 絶望の先を描き切った衝撃作!
内容説明
7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。結婚を機にその地に移った私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との関係をうまく築けずにいた。晴彦は、犯人の上田祐太郎の面影があるらしい。上田が社会に復帰したこの夏、ある噂が流れる―世界の終わりを見せるため、ウエダサマが降臨した。やがて近所で飼い犬の変死、学校への脅迫が相次ぎ、私と晴彦の距離は縮まらないまま、再び「事件」が起きる。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。話題作を次々に刊行する傍ら、ルポルタージュやインタビューなども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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となりのトウシロウ
90
40歳を過ぎて独身の清水が14歳の息子晴彦がいる女性と結婚する。晴彦は中学校でいじめにあっていて結婚を機に旭ヶ丘に引っ越し暮らし始めた。旭ヶ丘では7年前に給食に毒薬を混入させクラスメイト9人を殺害した事件の犯人上田が住んでいた住宅地。晴彦はその上田に似ていると噂される。やがて不審な事件が起こりだす。後半のプロットはイマイチ。子どもが他人を殺し、自分を殺すという心理的な恐ろしさが先に立ち、ウエダサマ達が発する言葉の意味が理解できない。良い父親とは?子どもを理解する難しさが描かれた重松清の異色ホラー的作品。2024/01/20
カブ
43
前半は中学生の子連れ再婚の妻と新しい家族を築き、父になろうと懸命に頑張る主人公の姿を応援している自分がいた。後半になるにつれ、感情が付いていかなくなる。なんなんだこの話は。怖かった。2022/03/30
ピース
41
結婚した相手には中学生になる子供がいた。この子供といかにして距離を縮めようかと悩む。ところがこの子にはとんでもない闇があった。更には7年前に同じ中学で無差別殺人をやった者と接触していた。この人物は怪しげな新興宗教の教祖のような人物だった。人の命をオモチャのように扱いもて遊ぶ様子は極めて不快だった。それでも最後はこの人物から救い出したんだよね。2022/06/24
ミッフー
35
3月以来の読書📖無性に重松の心温まる世界に触れたくて手にした本ではあるが・・・何となくサスペンス的な内容から始まり、高木が登場してきた後半からは新興宗教に洗脳されゆく人々描く内容になり💦期待していた重松とは全く違う内容に落胆しつつも一気に最後まで読みました❗️内容云々より久々だったから活字が恋しかったんでしょう😅全体とりまく暗さは疾走に近い物あるけど、疾走には最後微かな光が見えて涙、涙の読後ではあるも、こちらは「ふーん」程度の内容😮💨暫くすると内容すら忘れてそう😓久々のレビューでの酷評すみません🙇♂️2024/10/20
一笑
35
重い、あまりにも重いお話だった。嫌いないじめの話もあり途中でやめようかとも思ったけれど、大好きな重松さんの作品なのでなんとか最後まで読み切った。14才の中学生の息子を持つ女性と結婚した40代のお父さんとその息子の物語。給食のスープに毒を仕込み9人の同級生を殺害した上田、犠牲者のひとりであるにも拘わらず上田を神と崇める高木、常識的には理解できない子ども達?が登場する。わかるようでわかりたくない悲惨な物語。ついついネットで私が生まれた日が何曜日なのか調べてしまった。そしたら水曜日だった。これも困ったぞ。2023/04/17