出版社内容情報
元・読売巨人軍&侍ジャパン・・・伝説のスコアラーが明かす総300ページ超の1冊!
<アマチュア野球にはデータ分析への「誤解」がある>
プロ野球ならいざしらず、アマチュア野球に関していえばデータ分析を取り入れるのが難しいというのも理解できます。まず、そもそも人手が足りません。もちろん、時間もお金もないでしょう。状況的に、データ分析すること自体が難しいのです。「データがあれば有利になるけれど、とてもじゃないが手がつけられない」というのが実情だと推測します。
確かにそのとおりです。後述しますが、わたしはこのなかでも、特にデータ分析を担う人手を確保することについては、もっともハードルが高いと考えています。
その一方、「最初からあきらめるのは、もったいないことではないか?」とも思っています。なかなか一歩目を踏み出すことができない背景には、「そこまでする重要性や必然性はないのでは?」と思ってしまう「誤解」があるからだと見ています。これまでに、わたしがよく耳にしてきたものをいくつか挙げてみましょう。
1、アマチュア野球の多くはリーグ戦ではなくトーナメント方式による一発勝負なので、データを取る意味がそこまでない。
2、データ分析をするには、ひとつの相手に対して複数の試合データを取らなくてはならないので、とてもやりきれない。
3、映像がないとデータは取れない。映像を撮るための道具や設備がない。あるいは、ルール上、映像を撮ることが禁止されている。
4、そもそも、正確なデータを取れない。そういった能力を持った人材がチームにいない。
5、データ分析をして攻略のプランを立てたとしても、そのとおりに選手が動けない。
これらの誤解に対して、本書で一つひとつクリアにしていきます――(第1章より)
内容説明
読売巨人軍、侍ジャパン…「伝説のスコアラー」による実践的1冊。勝敗の6割は事前準備で決まる!打者・投手分析だけではない―光、風、グラウンド、フェンスとの距離、ファウルゾーン、マウンド、バッターボックス…プロはここまで見ている。スコアラー目線を手に入れることで勝つ可能性を上げる。プロとアマチュアで、データの集計方法や伝える環境は異なるが、アマチュアのほうがデータでアドバンテージを得られる。「配球チャート」をつけることがすべてのはじまり。事前準備と試合中の相手攻略に大きく役立つ!カウントは「打者有利カウント」「投手有利カウント」「初球」「フルカウント」の4種類に分けてデータを集計すると分析しやすい。実力の違いが100パーセント結果になるわけではない。劣勢でも相手投手の観察を続け、付け入る隙を見出していく。
目次
0 なぜデータ分析が重要なのか?(プロ野球では1950年代に最初のスコアラーが誕生した;野球は準備のスポーツ。「事前の準備が勝敗の6割を握る」 ほか)
1 「地の利」を得る試合前の準備(光(太陽光・照明)
風 ほか)
2 攻撃編 1点でも多く得点を奪うためにできること(配球チャート;投手分析 ほか)
3 守備編 失点を未然に防ぐためにできること(打者分析;打者攻略(配球) ほか)
4 チームを勝利に導くデータの伝え方(プロよりもアマのほうがデータでアドバンテージを得られる;ミーティングでは10ある情報の1か2程度を伝える ほか)
著者等紹介
三井康浩[ミツイヤスヒロ]
1961年島根県生まれ。出雲西高等学校時代に強打で鳴らし、78年ドラフト外で読売巨人軍に入団。84年に現役を引退。引退後は、二軍マネージャーを経て、スコアラー、査定室長、統括ディレクター、編成本部参与等を歴任。2018年末の退団まで40年間にわたり巨人軍を支え続けた。09年のWBC第2回大会では日本代表チームのチーフスコアラーを務め、世界一に貢献。現在は各メディアで野球解説をする傍ら、セミナーや野球教室なども行う。合同会社スリップストリーム所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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