出版社内容情報
失われた日常を取り戻すため、ワタルは異世界へ旅立った。目指すは、どんな願いでも叶えてくれるという女神のいる「運命の塔」。愛すべき仲間たちと心をひとつに、ワタルは数々の困難に立ち向かう。
内容説明
幸せな日常を取り戻すため、魔法が支配する幻界へ旅立ったワタルは、はじまりの町ガサラにたどり着く。道中で仲間になった水人族のキ・キーマとともに運命の塔を目指す旅の準備を整えていたところ、殺人事件が発生。ワタルは犯人として拘束されてしまった。洞窟に潜む骸骨、地底湖の巨大モンスター…。数々の試練を乗り越え、一行は運命の塔にたどり着くことができるのか?新たな仲間も登場し、物語は一気に加速する!
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年東京生まれ。東京都立墨田川高校卒業。法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞長編部門、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、93年『火車』で山本周五郎賞、97年『蒲生邸事件』で日本SF大賞、99年『理由』で直木賞、2001年『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。02年司馬遼太郎賞と芸術選奨文部科学大臣賞文学部門、07年『名もなき毒』で吉川英治文学賞、08年英訳版『BRAVE STORY』でBatchelder Awardを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
27
幻界でたくさんの出会いをするワタル。一歩ずつながら成長していってる気がする。中巻の後半ではもうなかなか立派なことを話せるようになってきたなぁと思う。気になるのは同じ幻界にいながらにしてミツルとワタルは同じ世界を見ているのか、どうなのか。幻界は旅人により色々変わると言っていたが、同じように見えるときもあれば、人々の接し方もワタルとミツルでは微妙に違うのか。現実でも人柄や相性で人の見え方、感じ方って変わるけどそのニュアンスと同じでいいのかな?2023/12/01
虚と紅羽
10
まとめた感想は下巻で。 リリス辺りからようやく読む苦痛が減った。やっぱりファンタジーじゃないとダメだな。 旅人が呼ばれる理由って……と思ったら案の定。小学五年生だっけ?まだまだ子どもに分類出来る歳の子がここまで考えさせられるとは、願いへの代償とも言える試練も中々厳しいものだね。 じゃあ逆に完璧な善人、他者に全く興味がない故に好きも嫌いも悪も善もないような者が旅人として幻界を訪れたらどうなるのか?そもそもこういう奴は運命を変えたいが為に、みたいな気持ちもないか。 あと一巻でどう収めるのか。2024/07/10
あかつや
9
変わってしまった現実を変えるために異世界へと旅立ったワタル。幻界を旅するうちに信頼できる仲間を得て、徐々に力をつけていく。正直このファンタジー世界の冒険、しばらくはあんまり面白くなかった。JRPG的ストーリー展開はいいんだけど、なんというか未プレイのゲームのノベライズ読んでるみたいな、いまいちノレない感じ。でもこの巻の後半ワタルが現実世界とリンクするような人物と出会ってから俄然良くなった。ここでの冒険が単なる少年のお遊びではないんだということがはっきり示されて、物語に緊張感が出てきたと思う。ここからだな。2022/10/19
がんもどき
7
ワタルはファンタジーの世界を旅するが、特に現実世界での問題を解決できる何かが見つかるわけでもないまま時間は過ぎてゆき…。どういう落ちだったか忘れているので新鮮な気持ちで楽しめるのはいいが、どう話が進んだか忘れてしまっていてモヤモヤするまま下巻へ。2022/09/14
トーナ
7
上巻と打って変わって終始ファンタジーな物語に。でも差別や宗教など、現実にもありそうな問題が溢れていて、そういう生々しさは健在です。それでいてしっかりとファンタジーな話を展開するというバランス感覚がすごい。2022/05/02