出版社内容情報
別々の人生を歩み、10年ぶりに再会したアサヒとユウヒの兄弟。ふたりはある目的のため、狂言誘拐を実行に移す。その犯罪は成功したかに見えたが、思いもよらない結末を迎えることになった。
それから8年後、神倉駅前交番の警察官・狩野雷太は、マンションの一室で衰弱した男児を保護する。男児の傍らには、餓死した妹の亡骸があった。神奈川県警捜査一課の烏丸靖子は兄妹の母親を取り調べるが、彼女がかつて誘拐事件に巻き込まれていたことがわかり、状況は一変する。悲劇的な事件の裏に横たわる、さらなる衝撃とは――。
内容説明
別々の人生を歩み、10年ぶりに再会したアサヒとユウヒの兄弟。ふたりはある目的のため、狂言誘拐を実行に移す。その犯罪は成功したかに見えたが、思いもよらない結末を迎えることになった。それから8年後、神倉駅前交番の警察官・狩野雷太は、マンションの一室で衰弱した男児を保護する。男児の傍らには、餓死した妹の亡骸があった。神奈川県警捜査一課の烏丸靖子は兄妹の母親を取り調べるが、彼女がかつて誘拐事件に巻き込まれていたことがわかり、状況は一変する。悲劇的な事件の裏に横たわる、さらなる衝撃とは―。二転三転の真相、驚愕必至のミステリ!日本推理作家協会賞受賞シリーズ、初の長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
202
家族を選ぶ権利・・本作で私はまた【家族】を考えさせられた。幼子には選ぶ権利などない。どんな非情な親だとしても子供には全てだ。家族が苦しく自分をも否定する時、大人になった子供はどうするー狩野雷太シリーズ前作は読んでいないが、虐待を扱う作品は苦しくしんどい。偽りでも家族、見せかけだけの家族・・幸せって何だろう。真相にたどり着いた時、あまりにも悲しくて虚しくて遣る瀬無い。亡くなった幼子がただただ痛ましい。せめて夕夜のこれからの日々が穏やかで暖かくありますように。初めての降田天、じっくりと堪能した。2021/10/20
machi☺︎︎゛
146
「お父さん」と車上生活をしていたアサヒとユウヒ。2人の幼少期の話はあまりの貧困ぶりに目を背けたくなった。それからお互いの道を歩み出ししばらくぶりに再開した2人。だけどその再会は偶然だったのか仕組まれたものだったのか。第二部は前作の神倉駅前交番に勤務する狩野雷太も登場し、事件は解決に向かっていく。ただ、そこにも子供の貧困や虐待が絡んでいて読んでいて辛かった。話はすごく面白く一気読みだった。2021/12/05
タイ子
134
2部立て、前作の狩野巡査は2部になってから登場。相変わらずのへらへらキャラだが、推理の冴えは見事。物語はへらへらどころか子供の虐待、ネグレクトと胸が痛くなる。血の繋がらない兄弟、アサヒとユウヒはコソ泥をする父親と車上暮らし。父親が亡くなり別々に暮らすも10年ぶりに再会。狂言誘拐を企み一応の成功は見たものの、予想外の展開に。それから8年後、幼児が衰弱死、1人は生き残るという事件が起こる。そこから繋がる様々な人間模様。負の連鎖が悲しすぎる。そこから見えてくる凄まじいまでの血の繋がり。ラストの景色に救われる。2021/11/14
イケメンつんちゃ
114
月曜日はシックシック パンジーの三井比佐子さん ヒットナンバー 土曜日の夜には当選確実と とってもとっても小さい街の選挙 与野党相乗り候補に投票する 午後八時には落選確実 まさかまさかの死に票に 台湾チーム優勝おめでとうございます いゃーあ おもしろかった ふたりのアイルランド 降田天先生 二作品目 第一部はトリセツ 把握してから第二部へ 幼き兄妹は悲劇の序章 犯人の思惑どおりに 関ヶ原はキーワード えっそっちの方 まさかの真相 おぞましい海底ケーブルの切断 稲垣ちゃんの居る二時間待ちの整形外科へ アラタ2024/11/25
cinos
103
第一部の狂言誘拐からの第二部児童の虐待死がどのようにつながるかが興味深いです。意外な真実が狩野さんのおかげで明らかになりますが、重い真実でした。2022/02/11